Funkadelic - One Nation Under A Groove (1978)
Funkadelic 1978

Funkadelic - One Nation Under A Groove (1978)

Funk / Soul P.Funk

Funkadelic『One Nation Under A Groove』──Pファンクを大きく前へ押し出した1978年作

Funkadelicの『One Nation Under A Groove』は、1978年にUSのWarner Bros. Recordsから出たアルバムで、同じくGeorge Clintonを中心に動いていたPファンクの流れを、より広い層へ届く形にまとめた一枚として知られている。Funkadelicは1970年代のファンクを語るうえで外せない存在で、Parliamentと並ぶ双子のような関係性のなかで、よりロック寄り、サイケデリック寄りの手触りも含んだ作品を残してきた。その中でも本作は、タイトル曲の存在感が大きく、バンドの代表作として扱われることが多い。

USオリジナルの1978年盤は、Warner Bros. RecordsのBSK 3209。レーベル面の時代感も1978年らしく、Burbank Palm Trees期の終盤にあたるデザインの流れの中に置かれる。Funkadelicの作品のなかでも、演奏の厚み、コーラス、リフの反復、曲の伸び方がはっきりしていて、アルバム全体が一つの大きな流れとして組まれている印象がある。

作品の位置づけ

この時期のFunkadelicは、すでにグループとしての語法がかなり確立している。George Clintonの統率のもと、Bootsy Collins、Bernie Worrell、Glen Goins、Michael Hampton、Jerome Braileyらの名前が並ぶ編成で、演奏は分厚く、しかし細部ではかなり機能的だ。Parliamentがきらびやかな宇宙感やショーマンシップを強く打ち出す一方で、Funkadelicはギターの前面性やロックの感触を含みやすい。本作もその線上にありつつ、1978年のディスコ〜ファンクの大きなうねりの中で、より身体に入ってくるグルーヴを前面に出している。

同時代のファンクと比べると、Earth, Wind & Fireの整然としたアンサンブルや、Ohio Playersの艶のある展開とは少し違い、Funkadelicは曲の中心に“反復して押し切る力”がある。そこにBernie Worrellの鍵盤や、Bootsy Collinsのベースが絡むことで、単なるリズム重視では終わらない層の厚さが生まれている。

タイトル曲「One Nation Under A Groove」

本作を語るうえで外せないのがタイトル曲だ。ここでは、歌詞のスローガン性と、演奏の推進力がきれいに噛み合っている。冒頭からリズムの立ち上がりが明快で、コーラスが入るたびに曲の輪郭が広がっていく。聴感上は、ベースの跳ね方とギターの刻みがまず身体に来て、その上でボーカルが合図を出す構造になっている。

この曲はFunkadelicの代表曲として定着していて、アルバムの顔であると同時に、Pファンクの中でも特に広く知られた一曲になっている。ライブを意識したような一体感があり、演奏が進むごとにフロア全体を巻き込む設計が見える。実際に聴くと、曲のメッセージより先に、まず反復の強さが残るタイプのナンバーだ。

アルバムの流れと他の注目曲

タイトル曲以外でも、アルバムは単発のヒットだけで終わらない。曲ごとに温度差をつけながら、ファンクの基本である反復、コール・アンド・レスポンス、ブレイクの気持ちよさを丁寧に積み上げている。George Clintonの作品群に共通する、少し混沌とした見た目に反して、実際の編曲はかなり整理されているところも面白い。

とくに、歌とバンドの駆け引きがはっきりしている曲では、George Clintonの仕切り役としての存在感がよく出ている。大きなフックを持つタイトル曲に対して、他の曲はリズムの切り替えやコーラスの配置で聴かせる場面が多く、アルバム全体の中で役割分担が明確だ。ベースが前に出る場面、ギターがざらつきを足す場面、鍵盤が空間を埋める場面が、それぞれきちんと置かれている。

サウンドの聴きどころ

この盤の面白さは、ファンクの基本形を保ちながら、演奏の密度を落とさないところにある。Bootsy Collinsのベースは、ただ低音を支えるだけでなく、フレーズそのものが曲の推進力になっている。Bernie Worrellの鍵盤は、和音の塊としても、短い装飾としても機能していて、曲の隙間を埋める役割が大きい。

また、ギターの存在も重要だ。Funkadelicは名前の通りファンク・バンドではあるが、ロックバンドのような押し出しもある。そのため、リズムの刻みが単調になりにくく、曲が進んでも緊張がほどけにくい。1978年という時代の空気の中で、ダンス・ミュージックとしての即効性と、バンド演奏としての厚みを両立させている作品と言えそうだ。

オリジナル盤としての見どころ

USオリジナルの1978年盤は、当時のWarner Bros.のレーベル・デザインを持つ時代のプレス。BSKナンバーの作品群に共通する、70年代後半ワーナーの空気をそのまま感じさせる存在でもある。Funkadelicのこの時期の作品を追ううえでは、Parliamentとの並行関係、George Clintonのプロジェクト全体の動きも含めて見ると、より位置づけがはっきりしてくる。

『One Nation Under A Groove』は、Funkadelicの中でも特にタイトル曲の強さが先に立つ一方で、アルバム全体を通して聴くと、バンドの演奏、コーラス、アレンジのまとまりがよく見える一枚だ。1970年代ファンクの文脈の中で、Pファンクの入口としても、バンドの代表作としても語られやすいのは、その構成力と推進力の両方がしっかりしているからだろう。

トラックリスト

  1. A1 One Nation Under A Groove 7:33
  2. A2 Groovallegiance 7:00
  3. A3 Who Says A Funk Band Can't Play Rock?! 6:21
  4. B1 Promentalshitbackwashpsychosis Enema Squad (The Doo Doo Chasers) 11:00
  5. B2 Into You 5:43
  6. B3 Cholly (Funk Getting Ready To Roll!) 4:33
  7. C1a Maggot Brain 7:37
  8. C1b Chant (Think It Ain't Illegal Yet!) 0:53
  9. D1 Lunchmeataphobia (Think! It Ain't Illegal Yet!) 4:16
  10. D2 P.E. Squad / Doo Doo Chasers 4:40

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