Foo Fighters - One By One (2002)
Foo Fighters 2002

Foo Fighters - One By One (2002)

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Foo Fighters『One By One』―バンドの重さと輪郭がはっきりした4作目

Foo Fightersの『One By One』は、2002年に発表された4作目のスタジオ・アルバムだ。前作までで築いてきたオルタナティヴ・ロック・バンドとしての骨格を保ちながら、より硬質で押しの強いサウンドへ寄せた一枚として知られている。中心にいるのはもちろんDave Grohlで、Nate MendelやTaylor Hawkins、Chris Shiflettらが支える編成。ここで初めてChris Shiflettが正式にギターで参加している点も、この作品の見どころのひとつだ。

リリース当時のFoo Fightersは、90年代型のオルタナティヴ・ロックから、2000年代のラジオ向けロックへと軸足を広げていく時期にあたる。Nirvana解散後のDave Grohlが立ち上げたバンドとして始まったFoo Fightersは、この頃にはすでに“ひとりのプロジェクト”ではなく、演奏の厚みとバンド感で勝負する存在になっていた。『One By One』は、その方向性がかなり明確に出た作品といえる。

制作の経緯とアルバムの位置づけ

このアルバムは制作過程がかなり難航したことでもよく知られている。最初の録音は満足のいく出来にならず、メンバー間の緊張も高まったとされる。その後、Dave Grohlの自宅スタジオで短期間に録り直しが行われ、現在の形にまとめ直された。そうした経緯を踏まえると、全体にある切迫感や、音の密度の高さにも納得がいく。

結果として、『One By One』は前2作の勢いをそのまま拡張した作品というより、いったん立ち止まって組み直したうえで、バンドの力学を再定義したアルバムに近い。のちにFoo Fightersがより大きな会場を想定したスケール感を獲得していく流れを考えると、この作品はその途中にある重要な節目として見えてくる。

聴きどころ1:「All My Life」

冒頭を飾る「All My Life」は、このアルバムの輪郭を最も端的に示す代表曲だ。ギターのリフが前へ出て、ドラムは細かい装飾よりも推進力を優先する。Foo Fightersらしいストレートなロック曲でありながら、音の圧がかなり強く、前作までよりも“攻めている”印象が残る。

歌詞面でも、単純な高揚感だけに寄らず、内側に溜まった感情を吐き出すような運びがある。ライブでの定番曲として定着したのも自然で、スタジオ盤でも演奏の緊張感がそのまま残っているのが大きい。アルバムの入口として、この曲が置かれている意味はかなり大きい。

聴きどころ2:「Times Like These」

「Times Like These」は、『One By One』の中でも特に広く知られた曲で、アルバムの中の抒情性を担う存在だ。バンドサウンドの厚みは保ちながら、メロディの流れがはっきりしていて、疾走一辺倒ではない。Foo Fightersの楽曲の中でも、感情の揺れを整理しながら前に進むような構造がよく出ている。

この曲は、のちにバンドを代表する一曲として扱われることが多い。『One By One』全体が重めのギターと強いビートに寄っているぶん、この曲が入ることでアルバムに呼吸が生まれている。派手なヒット曲というより、曲そのものの骨格で長く残るタイプの代表曲だ。

アルバム全体の音像と同時代性

『One By One』のサウンドは、オルタナティヴ・ロックの枠にありながら、ハードロック寄りの押し出しも感じさせる。90年代後半から2000年代初頭にかけてのアメリカン・ロックの流れの中で、より大きなコーラス、より太いギター、よりはっきりしたリズムが求められていた時期でもあり、その空気がこの作品にも反映されている。

一方で、単に音を重くしただけではなく、曲の中には内省的な視点もある。グランジ以後のロックが、攻撃性とメロディをどう同居させるかという課題を抱えていた時代の作品として見ると、Foo Fightersはかなり分かりやすい答えを出している。Pearl JamやQOTSAのような同時代のロックと並べても、演奏の直線性とポップな定着力のバランスがこのバンドの持ち味として見える。

盤としての情報

今回の盤はヨーロッパ盤で、レーベルはRCA、製造はEU表記。BMGによる現地流通のクレジットも入っている。オリジナルは2002年の作品で、盤の年も同じく2002年。つまり、作品の初出当時の空気をそのまま持ったリリースと考えてよさそうだ。Brian Mayが一部楽曲にクレジットされている点も見逃せない。ブックレットやライナーの細部まで含めて、2000年代初頭のメジャー・ロック作品らしい作りになっている。

まとめ

『One By One』は、Foo Fightersがバンドとしての重みを強めたタイミングを切り取ったアルバムだ。制作の難航を経て組み直されたこともあり、全体に引き締まった感触がある。代表曲「All My Life」や「Times Like These」が示すように、勢いだけでなく、曲の構造とメロディの強さで押し切る作品でもある。Foo Fightersのディスコグラフィーの中では、ライブの熱量をスタジオに落とし込もうとした時期の記録として、かなりはっきりした位置にある一枚だ。

トラックリスト

  1. A1 All My Life 4:22
  2. A2 Low 4:28
  3. A3 Have It All 4:58
  4. A4 Times Like These 4:26
  5. A5 Disenchanted Lullaby 4:33
  6. B1 Tired Of You 5:11
  7. B2 Halo 5:06
  8. B3 Lonely As You 4:37
  9. B4 Overdrive 4:30
  10. B5 Burn Away 4:57
  11. B6 Come Back 7:50

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