Modest Mouse - An Eraser And A Maze (2026)
Modest Mouse『An Eraser And A Maze』について
Modest Mouseの『An Eraser And A Maze』は、2026年にGlacial Pace RecordingsからリリースされたダブルLP作品である。180g仕様のアナログ盤として用意され、ゲートフォールド・ジャケット、プリント入りスリーブ、歌詞シートを備えた構成になっている。US盤、UK盤、USA/Europe盤に加え、限定カラー・ヴァイナルも複数展開されており、同時代のインディー・ロック作品らしく、音源そのものだけでなく物理フォーマットの作り込みにも比重が置かれている。
Modest Mouseは1993年にワシントン州イサクアで結成されたアメリカのインディー・ロック・バンドで、Isaac Brockを中心に長く活動を続けてきた。90年代のローファイな感触から、後年のより大きなスケールのサウンドまで、作品ごとに輪郭を変えながらも、歌と演奏の癖の強さは一貫している。『An Eraser And A Maze』も、その延長線上に置いて聴かれる1枚という印象が強い。
作品の位置づけ
この作品は、Modest Mouseのキャリアの中でも、バンドの現在地をそのまま記録したようなアルバムとして見える。長年にわたって蓄積してきた編成の厚み、ギターの運び、リズムの粘りがそのまま前に出るタイプで、かつての荒さだけに寄せた作品ではない。John Marr、Eric Judy、Jeremiah Green、Tom Peloso、Dann Gallucci、Jim Fairchild、Benjamin Weikel、Davey Brozowski、Russell Higbee、Keith Karman、Damon Cox、Simon O'Connorら、時期の異なるメンバーがクレジットに並ぶことからも、バンドの歩みの長さがうかがえる。
インディー・ロック/オルタナティヴ・ロックの文脈では、Modest Mouseは、PavementやBuilt to Spillのような90年代以降のアメリカン・インディーの系譜と並べて語られることが多い一方、後年はより広いロック・リスナーにも届く存在になった。『An Eraser And A Maze』も、その両方の文脈が重なる場所にある作品として受け取れる。
収録曲の中で目立つ2曲
「Picking Dragon's Pockets」
ハイプステッカーでも先頭に挙げられている「Picking Dragon's Pockets」は、本作の入口として扱われている曲である。タイトルの時点でイメージの運びがはっきりしていて、Modest Mouseらしい、言葉の切り方に引っかかりがある。演奏面では、バンド特有の直線的すぎない推進力が前に出るタイプの曲として捉えやすい。ギターのフレーズが細かく動き、リズムが一定に押し切るのではなく、少し揺れながら進むあたりに、このバンドの持ち味がある。
こうした曲は、派手なサビをひとつ置くというより、展開の積み重ねで引っ張る作りになりやすい。Modest Mouseの楽曲を追ってきた人なら、言葉の置き方とアンサンブルのズレ方に耳が向くはずで、この曲もその点が核にあるように見える。
「Life's a Dream」
同じくハイプステッカーで挙げられている「Life's a Dream」も、本作を代表する楽曲として位置づけられている。タイトルはシンプルだが、Modest Mouseがこうした言い回しを置くときは、単純な肯定や否定に収まらないニュアンスが残ることが多い。歌メロと演奏の温度差、あるいは言葉の軽さと音の重さのずれが、曲の印象を決めるタイプだろう。
このバンドは、メロディを前面に出す局面でも、どこかに乾いた感触や距離感を残すことがある。「Life's a Dream」も、そのバランスの上に成立していると考えると、アルバム全体の中でも印象の残りやすい曲として聴かれそうだ。
アナログ盤としての特徴
2026年盤の情報では、180gのEcoSonic Audiophile Double LPとして案内されている。限定色の「Ocean Floor」盤をはじめ、Purple Haze、Sky Blue、Cosmic Black、Salsa Verdeなど複数のカラーバリエーションが確認できる。US、UK、USA/Europeで展開が分かれている点も、近年のインディー系アナログ市場を反映した仕様といえる。
ジャケットはゲートフォールド仕様で、印刷されたスリーブと歌詞シートが付属する。盤面やマスタリングの由来はランアウト情報から確認されているようで、物理メディアとしての作り込みがしっかりしている。Made in The Netherlandsの表記もあり、流通面では国際的な製造・配給の体制が見える。
まとめ
『An Eraser And A Maze』は、Modest Mouseというバンドが長く続けてきた音の積み重ねを、2026年時点の形で提示した作品として見える。荒さ、緻密さ、言葉の癖、演奏の粘り、そのあたりが過不足なく並ぶ1枚で、代表曲として挙げられる「Picking Dragon's Pockets」「Life's a Dream」も、アルバムの輪郭をよく示している。90年代から続くアメリカン・インディーの流れの中で、今のModest Mouseがどこにいるのかを確かめるための記録として、注目される内容である。
トラックリスト
- A1 Picking Dragons’ Pockets 4:36
- A2 Remember Yourself 4:11
- A3 Life's A Dream 5:32
- A4 Third Side Of The Moon 4:27
- B1 Dogbed In Heaven / Give It A Skeleton 4:53
- B2 Interlude 0:27
- B3 I Can't Talk Right Now 4:15
- B4 Speak 'N Spell (Or Not) 3:09
- C1 Rotten Fruit 3:00
- C2 Knocked Down By Waves 1:15
- C3 Absolutely Necessary Never 3:54
- C4 Song About Nothing 2:15
- D1 Stoner Party 0:35
- D2 Look How Far... 1:56
- D3 Impossible Somedays 4:38
動画
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Picking Dragons’ Pockets
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Remember Yourself
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Life's a Dream
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Third Side of the Moon
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Dogbed in Heaven / Give It a Skeleton
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Interlude
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I Can't Talk Right Now
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Speak ’N Spell (Or Not)
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Rotten Fruit
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Knocked Down by Waves
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Absolutely Necessary Never
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Song About Nothing
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Stoner Party
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Look How Far...
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Impossible Somedays
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