Lords Of The New Church - Killer Lords (1985)
Lords Of The New Church 1985

Lords Of The New Church - Killer Lords (1985)

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Lords Of The New Church『Killer Lords』について

『Killer Lords』は、Lords Of The New Churchが1985年にUKのIllegal Recordsから出した作品。バンドは1982年結成の英米混成グループで、70年代パンクの文脈を引き継いだメンバーが集まった“スーパーグループ”として知られている。中心にはStiv Bators、Dave Tregunna、Brian Robertsonらがいて、The DamnedやThe Dead Boys、Sham 69など、それぞれの出自がそのまま音の骨格にもつながっている。

この盤は、バンドの初期〜中期の輪郭をつかむうえでわかりやすい一枚。パンクの直進性を土台にしつつ、ニューウェイヴ寄りの整理されたビート、ゴシック色のある陰影、そしてアルバム単位での構成感が見える。単に荒々しいだけではなく、曲ごとの温度差やメロディの置き方に、当時のUKロックの流れがはっきり出ている作品という印象が強い。

バンドの立ち位置

Lords Of The New Churchは、80年代前半のパンク以後の空気を受けて登場したバンドのひとつだが、単なるリバイバルではない。パンクのスピード感を残しながら、ダークなコード感や、ニューウェイヴ以降の乾いた音像を取り込んでいる点が特徴的。The DamnedやThe Dead Boysの延長線上にありつつ、同時代のThe CultやBauhaus周辺のムードとも接点を持つ、という見方がしやすい。

1985年という時期も重要で、UKではポストパンクやゴシックの要素がロック全体に浸透していた頃。『Killer Lords』は、その空気の中でバンドの持ち味をコンパクトに切り出した作品として置ける。派手な装飾よりも、演奏の推進力と歌の存在感で押していくタイプの記録になっている。

サウンドの印象

聴きどころは、リズムの硬さとギターの切り込み方。音数は多くないが、各パートの役割がはっきりしていて、曲が進むにつれて緊張感が積み上がる。Stiv Batorsのボーカルは、叫び切るというより、刺すように前へ出る感じがある。ここがこのバンドの核で、パンクの勢いと、ゴシック寄りの冷たさを同時に成立させている。

また、ミックスの質感にも80年代中盤らしさがある。生々しさを残しながら、音の輪郭はある程度整理されていて、ライブ感一辺倒ではない。UK盤らしい硬質さがあり、当時のインディー・レーベル作品らしい引き締まった空気も感じやすい。Illegal Recordsという出自も、この時代の独立系シーンの流れと自然につながっている。

注目曲・代表曲

この作品を語るうえでまず触れたいのが、バンドの代表的な楽曲群。Lords Of The New Churchはシングルでも知られる曲がいくつかあり、そうした曲では、短い尺の中にフックの強いリフと、Batorsの攻撃的な歌がきれいに収まっている。『Killer Lords』でも、そのバンドらしい“前に出る曲”の作り方がはっきりしていて、アルバム全体の印象を決めている。

特に耳に残るのは、曲の立ち上がりが速く、すぐにボーカルが主役になるタイプのナンバー。ギターがコードを厚く鳴らすというより、リフで場面を切り替えていく作りで、そこにドラムの直線的な推進力が乗る。パンクの粗さと、80年代らしい構成の明快さが同居していて、聴き進めるほどにバンドの設計が見えてくる。

もうひとつ重要なのは、ダークなムードを前面に出した楽曲。ここでは、テンポの速さよりも空気の重さが先に立ち、メロディも少し陰を帯びる。ゴシック・ロックの要素が単なる飾りではなく、バンドの表現の一部として機能しているのがわかる。The Damnedの後期や、同時代の陰影を持つUKバンドを連想させる場面もあり、Lords Of The New Churchの個性がまとまって出る部分になっている。

1985年盤として見る面白さ

この盤は1985年のUKリリースという点でも、当時の独立系ロックの流通や空気を映している。Illegal RecordsはThe Policeの初期シングルを出したMiles Copelandのレーベルで、後にI.R.S. Recordsへつながる流れの中にある。そうした背景を踏まえると、『Killer Lords』は大きなメジャー路線の作品というより、80年代インディーの回路で機能した記録として見えてくる。

作品としては、バンドの出自、80年代中盤のUKシーン、ゴシック/ニューウェイヴ/パンクの交差点、そのあたりが一枚の中に収まっている。Lords Of The New Churchの名前を知る入口としても、当時のロックの空気を確認する資料としても、輪郭のはっきりした盤だと思う。

トラックリスト

  1. A1 Dance With Me 3:25
  2. A2 Hey Tonight 4:55
  3. A3 Russian Roullette 3:47
  4. A4 M-Style 4:12
  5. A5 Lord's Prayer 5:39
  6. A6 Live For Today 3:38
  7. B1 Method To My Madness 3:16
  8. B2 Open Your Eyes 3:27
  9. B3 I Never Believed 3:38
  10. B4 Black Girl White Girl 3:39
  11. B5 New Church 3:30
  12. B6 Like A Virgin 3:47

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