Simple Minds - Life In A Day (1979)
Simple Minds『Life In A Day』レビュー
Simple Mindsの『Life In A Day』は、1979年4月20日にリリースされたデビュー・スタジオ・アルバムだ。バンドは1977年にグラスゴーで結成されたスコットランドのニューウェーブ/ロック・バンドで、この作品はその出発点をそのまま記録したような一枚として位置づけられる。UKのZoom Recordsから出た初期作で、のちに大きく成功していく前の、バンドの輪郭がまだはっきり固まりきる前の姿がそのまま入っている。
レーベルはEdinburgh発の短命なパンク/ニューウェーブ・レーベル、Zoom Records。シーンの熱量がまだ強く残る時期のリリースらしく、音の作りも時代の空気と近い。後年の大きなポップ・ヒットで知られるSimple Mindsを思うと、ここで聴けるのはかなり別の顔だ。UKのニューウェーブ文脈に置くと、同時代のGang of FourやSiouxsie and the Bansheesのような鋭さとは少し違い、もっとメロディと推進力の両方を探っている印象がある。
デビュー作としての意味
このアルバムは、Simple Mindsにとって初めてのフルレングス作品であり、のちの活動全体を考えるうえでの起点になっている。後年の彼らは大きな会場を埋めるロック・バンドとして知られるが、ここではまだ初期衝動が強い。Jim Kerrの歌、Charlie Burchillのギター、Brian McGeeのドラムを中心に、曲ごとのまとまりよりも、バンドとしての勢いと感触を優先したような作りが目立つ。
録音の質感も、76年以降のパンク/ニューウェーブの延長線上にある。演奏の輪郭はくっきりしていて、ベースとドラムが前に出る場面も多い。そこにシンセやギターの装飾が重なり、Simple Mindsが単なる直線的なロックではなく、早い段階から広がりのある音を志向していたことがうかがえる。のちの代表作に比べるとスケールは小さいが、そのぶんバンドの初期像が見えやすい一枚でもある。
タイトル曲「Life in a Day」
タイトル曲「Life in a Day」は、このアルバムの核に置かれた楽曲だ。勢いのあるリズムに乗せて、日常の断片を切り取るような感触がある。派手に展開するというより、一定のテンションを保ちながら前へ進むタイプで、初期Simple Mindsらしい直進性がよく出ている。後年の大きなアンセムを知っていると、ここでのボーカルはまだ少し硬質で、言葉を押し出すような歌い方が印象に残る。
曲としては、ニューウェーブ期のUKロックに多かった、ギターのカッティングとリズムの反復を土台にした作り。そこへメロディが乗ることで、ただ速いだけでは終わらない推進力が生まれている。アルバム全体の空気を代表する曲として聴きやすく、デビュー作の方向性を最も端的に示す1曲だ。
「Chelsea Girl」と初期Simple Mindsの輪郭
「Chelsea Girl」は、この時期のSimple Mindsを語るうえで外しにくい曲だ。後年に比べると曲のサイズは小さいが、メロディの引っかかりがあり、バンドのポップ感覚が早くも見える。タイトルにある“Chelsea”という語感も含めて、都会的なイメージをまといながら、演奏はしっかりとバンド寄り。初期ニューウェーブの中でも、単に硬いだけではない手触りがある。
この曲では、ギターとリズム隊の組み合わせがかなり重要だ。音数を増やしすぎず、フレーズの反復で曲を引っ張っていく構成は、Simple Mindsがのちに大きなメロディを鳴らすバンドへ変化していく前段階として興味深い。デビュー盤の中でも、比較的耳に残りやすい楽曲として扱われることが多いのも納得できる。
収録曲の並びとアルバムの手触り
全体を通して聴くと、『Life In A Day』は統一感よりも、複数のアイデアを試しているような感触がある。テンポの速い曲、少し陰りのある曲、メロディを前に出す曲が並び、初期バンドの試行錯誤がそのまま残っている。とはいえ散漫というより、同じ温度で走り切る印象が強い。アルバムの流れを追うと、Simple Mindsが最初から“歌えるロック”へ向かう意識を持っていたことが見えてくる。
後年の大作主義や、80年代中盤以降の大きなスケールを知る耳で聴くと、ここでの音はずっとコンパクトだ。ただ、そのコンパクトさが逆に面白い。バンドの核にあるリズムの強さ、ギターの切り込み方、そしてJim Kerrの前に出る歌い方が、まだ荒さを残した状態でまとまっている。デビュー作らしい未完成さと、すでに形になり始めている部分の両方が同居している。
オリジナル盤の仕様について
1979年UKオリジナル盤は、厚手の紙を使ったイラスト入りインナー・スリーブ付きで出ている。初期盤らしい作りで、Zoom Recordsの短い活動期間を考えると、レーベルの当時の空気も含めて残している資料性の高い仕様だ。ランアウトにはスタンプとエッチングが混在している点もあり、初期プレスならではの個体差が見られる。
まとめ
『Life In A Day』は、Simple Mindsが後にたどる大きな成功の前に、ニューウェーブの時代感覚をまとって登場したデビュー作だ。派手な代表曲を積み上げたアルバムではないが、バンドの初期の方向性、演奏の癖、メロディの出し方がよく見える。1979年という年のUKロックの空気の中で、Simple Mindsがどこから始まったのかを確認できる作品として、位置づけはかなりはっきりしている。
トラックリスト
- A1 Someone 3:40
- A2 Life In A Day 4:00
- A3 Sad Affair 2:45
- A4 All For You 2:50
- A5 Pleasantly Disturbed 8:00
- B1 No Cure 3:38
- B2 Chelsea Girl 4:33
- B3 Wasteland 3:44
- B4 Destiny 3:36
- B5 Murder Story 6:18
動画
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Simple Minds - 1 - Someone - Life In A Day (1979)
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Simple Minds - 2 - Life In A Day - Life In A Day (1979)
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Simple Minds - 3 - Sad Affair - Life In A Day (1979)
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Simple Minds - 4 - All For You - Life In A Day (1979)
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Simple Minds - 5 - Pleasantly Disturbed - Life In A Day (1979)
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Simple Minds - 6 - No Cure - Life In A Day (1979)
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Simple Minds - 7 - Chelsea Girl - Life In A Day (1979)
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Simple Minds - 8 - Wasteland - Life In A Day (1979)
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Simple Minds - 9 - Destiny - Life In A Day (1979)
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Simple Minds - 10 - Murder Story - Life In A Day (1979)
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