EPMD - Strictly Business (1988)
EPMD『Strictly Business』について
EPMDの『Strictly Business』は、1988年にUSのFresh Recordsから出た1作。タイトルどおり、EPMDという名前を広く知らしめた初期の代表作で、Erick SermonとParrish Smithの2人によるユニットの輪郭がはっきり見えるアルバムだ。
EPMDは、Brentwood出身のErick SermonとParrish Smithによって1987年に結成されたヒップホップ・デュオ。名前は「Erick and Parrish Making Dollars」の頭文字で、デビュー当初からモノトーン気味のラップと、ファンク・サンプルを前面に出したビートで存在感を出していた。『Strictly Business』は、その持ち味が最初にまとまった形で提示された作品として位置づけられる。
作品の特徴
この時期のEPMDは、派手なフックや過剰な装飾よりも、ループの粘りと間の取り方で聴かせるタイプ。ビートは重心が低く、サンプルの反復がそのまま曲の推進力になっている。いわゆるBoom Bapの感触が強く、80年代後半の東海岸ヒップホップの空気をよく伝える内容だ。
聴き進めると、2人のラップは声色の起伏で押すというより、一定のテンションを保ちながら言葉を積み上げていく作り。ここがEPMDの個性で、同時代のグループの中でもかなりはっきりした特徴になっている。ファンクを土台にしたプロダクションは、後のサンプリング主体の東海岸ヒップホップともつながる流れとして見やすい。
代表曲とアルバムの核
『Strictly Business』では、タイトル曲「Strictly Business」がまず中心になる。アルバムの顔として知られる曲で、EPMDらしい硬い手つきと反復の強さが前に出た一曲だ。ほかにも、アルバム全体を通して、1曲単位の派手さよりも、同じ質感で引っ張る統一感が印象に残る。
この作品は、後年のEPMDを知るうえでも入り口になっている。のちに彼らはHit Squadを軸にRedmanやDas Efx、K-Soloらともつながっていくが、その前段階として、まずはこのデビュー作でユニットとしての基本形を固めた、という見方がしやすい。
レーベルと時代背景
リリース元のFresh Recordsは、Sleeping Bag Records配下のヒップホップ専用レーベルとして1985年に始まったレーベル。1980年代後半のニューヨーク周辺では、サンプリングを軸にした作品が次々に出ていた時期で、EPMDもその流れの中で、派手さよりもビートの腰の強さで勝負していた。
同時代の東海岸ヒップホップを見渡すと、Public Enemyのような強いメッセージ性や、Eric B. & Rakimのような技巧性とは別の方向で、EPMDは「鳴り」と「反復」で押す立ち位置にある。そこがこのアルバムのわかりやすい輪郭だ。
ブログ向けのひとこと
『Strictly Business』は、EPMDの原型がそのまま収められた1988年作。Erick SermonとParrish Smithの2人が、ファンク・サンプルと一定のフロウで組み上げる、東海岸ヒップホップ初期の重要盤として見えてくる。
トラックリスト
- X1 Strictly Business 4:43
- X2 Because I'm Housin' 3:59
- X3 So Let The Funk Flow 4:14
- X4 You Gots To Chill 4:20
- X5 It's My Thing 5:41
- Y1 You're A Customer 5:23
- Y2 The Steve Martin 4:37
- Y3 Get Off The Bandwagon 4:19
- Y4 D.J. K La Boss 4:27
- Y5 Jane 2:56
動画
- Strictly Business
- I'm Housin'
- Let The Funk Flow
- You Gots To Chill
- It's My Thing
- You're A Customer
- The Steve Martin
- Get Off The Bandwagon
- D.J. K La Boss
- Jane
- I'm Housin' (U.K. Mix)
- You Gots To Chill (Dub Version)
- You Gots To Chill (Percapella)
- You’re A Customer (Dub Version)
- It's My Thing (Dub Version)