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Ranmadou(乱魔堂)は、1971年に結成され、1973年に解散した日本のブルースロック・バンドだ。1972年8月には、ポリドールから唯一のスタジオアルバム『乱魔堂』を発表している。
中心になったのは、ボーカルの松吉久雄、ギターの洪栄龍、ベースの猿山幸夫の3人だ。彼らは結成前に「ブラインド・レモン・ジェファーソン」というバンドで一緒に活動していた。そこにドラムの矢島敏郎が加わって核になる編成ができ、その後、ギターの告井延隆、キーボードの上村律夫が補強メンバーとして参加した。
後年には、ブルース・クリエイションや頭脳警察で知られるギタリストの山崎隆史も加わっている。
Ranmadouの音楽は、ブルースを軸にしたロックだ。紹介されているライブ音源では、Willie Dixonの「Hoochie Coochie Man」を日本語詞のハードなカバーで演奏していて、原曲のブルース感に加えて、強いバンド演奏が前に出ている。
演奏の印象としては、ガレージからそのまま飛び出してきたような荒々しさがあり、整った作り込みよりも、勢いと音のぶつかり方が前面に出ている。ギターが2本入る編成やキーボードの参加もあって、単なるブルース・バンドというより、当時の日本のロックの現場で鳴っていた音をそのまま刻んだような内容になっている。
オリジナルのスタジオアルバムは『乱魔堂』の1枚のみで、全9曲が収録されている。さらに1989年には、第3回全日本フォークジャンボリーでのライブ音源を収めた『1971 Summer』が発掘リリースされた。
このライブ盤によって、スタジオ盤だけでは見えにくい当時の演奏の熱量や、ステージでのバンドの姿が伝わるようになっている。
「乱魔」という名前には、メンバーや観客が抱える感情、想像、肉体性が入り乱れる可能性を指す意味が込められているとされる。「乱魔堂」は、そうした人々、つまり「乱魔童」が集う堂宇という意味合いを持つ。
名前の由来を踏まえると、バンドが目指したものが単なるジャンル分けではなく、ライブ空間そのものの緊張感や混ざり合いにあったことがうかがえる。
活動期間は短いが、1970年代初頭の日本でブルースロックを鳴らしていたバンドとして、記録に残る存在だ。スタジオ盤とライブ盤の両方が残っているので、曲作りと現場の演奏の両面から追えるのも特徴になっている。
日本語詞のブルースカバーや、ギターを中心にした硬質なバンドサウンドに興味がある人なら、Ranmadouは一度触れておきたい名前だ。