Vinyl Record Reviews
Styx(スティクス)は、1972年にアメリカ・イリノイ州シカゴで結成されたプログレッシブ・ロック/アリーナ・ロック・バンドだ。プログレッシブ・ロックのドラマティックな構成と、ハード・ロックの力強いギターリフやキャッチーなコーラスワークを融合させた「スタジアム・ロック/ポンプロック」の代表格として、1970年代後半から1980年代前半にかけて世界的な大成功を収めた。
バンド名はギリシャ神話の冥府の川「Styx」に由来する。史上初めて4作連続でトリプル・プラチナム(全米300万枚以上)を達成したバンドとしても知られる。
母体となったのは、双子の兄弟チャック・パノッツォ(ベース)とジョン・パノッツォ(ドラムス)、そしてデニス・デ・ヤング(ヴォーカル/キーボード)によるバンドだ。そこにジェームス・“JY”・ヤング(ギター)らが加わり、1972年にStyxとしてメジャーデビューを果たした。
1975年末にギタリスト/シンガーソングライターのTommy Shaw(トミー・ショウ)が加入。デニス・デ・ヤングの演劇的でクラシカルな鍵盤・作風と、トミー・ショウのストレートで爽快なハード・ロック/フォーク感覚という強力な二大支柱が確立され、バンドは黄金期を迎えた。
Styxのサウンドは、プログレッシブ・ロック譲りの壮大なキーボード・オーケストレーションや変拍子、ハード・ロックの疾走感あふれるギター・ソロ、そして緻密なヴォーカル・ハーモニーの融合にある。大スタジアムを沸かせるキャッチーなフックを持ちながら、アルバム全体にコンセプチュアルな物語性を持たせる手腕に長けていた。
1980年代半ば以降は活動休止と再結成を経験し、1999年にデニス・デ・ヤングが離脱。カナダ出身の実力派シンガー/キーボーディストであるローレンス・ゴーワンを迎え、トミー・ショウとジェームス・ヤングを中心に精力的なワールドツアーと新作リリースを続けている。