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The Jon Spencer Blues Explosionは、1991年にニューヨークで結成されたロック・バンドだ。活動期間は2016年までで、メンバーはJon Spencer、Judah Bauer、Russell Siminsの3人。基本の軸はロックンロールにありつつ、インディー・ロック、ブルース・ロック、ノイズの要素を強く取り込んでいる。
フロントマンのJon Spencerは、The Jon Spencer Blues Explosion結成以前の1985年に、ワシントンD.C.でJulia Cafritzらとノイズ・パンク・バンドPussy Galoreを結成している。翌1986年には拠点をニューヨークへ移していて、この時期の荒々しい演奏態度やノイズ寄りの感覚が、後の活動にも引き継がれている。
The Jon Spencer Blues Explosionは、こうした背景を持つJon Spencerを中心に、ギターとボーカルのJudah Bauer、ドラムのRussell Siminsで動いていた。3人編成のシンプルな形だが、演奏の密度は高く、ギター、ドラム、ボーカルが前面に出るスタイルで知られている。
音楽の土台はロックンロールだが、実際の作りはかなり広い。パンク、ブルース、ガレージ、ロカビリー、ソウル、ノイズロック、R&B、ヒップホップなどの影響が混ざっている。ブルースのフレーズをそのままなぞるのではなく、歪んだギターと強いビートで押し出す曲が多い。
Jon Spencerのボーカルは、歌い上げるというより、叫びや語りを混ぜながら前に出る場面が目立つ。ギターもリフ中心で、音数よりも勢いを重視した構成が多い。そこにRussell Siminsのドラムが直線的に入って、曲全体を引っ張る形になっている。
1994年の『Orange』は、このバンドを語るうえで外せない作品だ。タイトルは、1960年代のJames Brownの映像に映り込んでいた鮮やかなオレンジ色の背景に由来している。収録曲にはBeckがオーストラリアから電話越しに参加したスポークンワードのパートがあり、シングル「Flavor」のミュージックビデオにはBeck本人とBeastie BoysのMike Dも出演している。
このあたりは、当時のオルタナティブ・シーンとのつながりを示す動きとして見やすい。実際に1994年には、バンドはBeckとともにオーストラリアとニュージーランドをツアーしている。
1996年には、ミシシッピ・ヒルカントリー・ブルースの重鎮R.L. Burnsideとの共作『A Ass Pocket of Whiskey』を発表している。ホリー・スプリングスの猟師小屋を借りて、アンプを大きく鳴らし、ドラムを強く叩きつけるように録音されたセッションとして知られている。
この作品では、ブルースの側からもロック/パンクの側からも距離を詰める形がはっきりしていて、Burnsideをインディー・ロックやパンク・ロックのリスナーに広く知らしめるきっかけになった。世代もジャンルも違う音楽同士を、実演の熱量でつないだ例として扱われることが多い。
The Jon Spencer Blues Explosionは、ブルースを古い形式として再現するのではなく、ノイズやパンクの感覚を混ぜて更新してきたバンドとして見られている。Pussy Galoreから続くJon Spencerの姿勢も含めて、荒さをそのまま音に変えるやり方が一貫している。
また、BeckやBeastie Boys周辺との接点、そしてR.L. Burnsideとの共作のように、ロックの内側だけで完結しない動きも多い。ジャンルの境界をまたぎながら、ブルースとロックの接点を強く押し出したグループとして、90年代オルタナティブ・ロックの文脈でも重要な存在だ。