Creedence Clearwater Revival - Cosmo's Factory (1970)
Creedence Clearwater Revival 1970

Creedence Clearwater Revival - Cosmo's Factory (1970)

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Creedence Clearwater Revival『Cosmo's Factory』レビュー

Creedence Clearwater Revivalの『Cosmo's Factory』は、1970年にUSのFantasyから出た5作目のスタジオ・アルバムだ。バンドはカリフォルニア州バークレー出身だが、ここで鳴っている音は西海岸ロックというより、米国南部の湿った空気や、古いR&B、ブルースの感触を強く引き寄せている。CCRは1968年から1970年にかけて短い間隔で作品を量産しており、本作はその勢いが最もまとまった形で表れた一枚として扱われることが多い。

タイトルの由来は、ドラマーのDoug “Cosmo” Cliffordがリハーサル拠点の倉庫を「工場」と呼んでいたことにある。バンドが同じ場所で集中的に音を詰めていた、という制作環境そのものが作品名になったわけで、内容にもその印象がよく出ている。無駄を削った曲、長尺のカバー、ロックンロールの直球、ブルースの要素が、同じ温度で並んでいる。

アルバム全体の位置づけ

CCRにとって『Cosmo's Factory』は、商業的にも創作面でもピークに近い位置にある。全米1位、全英でも1位を記録したとされ、バンドの勢いがそのままチャートに反映された作品だ。John Fogertyが作曲、歌唱、プロデュースの中心を担い、バンド全体はその設計図を確実に演奏する、という構図がはっきりしている。後年のCCR像を思い浮かべると、ここにはすでに「John Fogerty主導のCCR」が完成している。

同時代のアメリカン・ロックと比べると、CCRはサイケデリックな拡散やスタジオ実験よりも、演奏の密度と曲の強度を前面に出している。The Bandのような土臭さとも通じる部分はあるが、CCRのほうがもっと短距離走に近い。ブルース・ロック、ロックンロール、サザン・ロックの要素を、かなり簡潔な形でまとめているのがこのアルバムだ。

冒頭を引っ張る「Ramble Tamble」

1曲目の「Ramble Tamble」は、アルバムの出発点としてかなり重要だ。序盤はCCRらしい推進力のあるロックで始まり、途中から長いインストゥルメンタル寄りの展開に入る。ここでは、フォガティのギターの刻みとリズム隊の粘りが前に出ていて、バンドが“曲を伸ばしても崩れない”ことを示している。単純なヒット曲の配置ではなく、アルバム全体の体力を見せる役割の曲だ。

実際に聴くと、派手な音色よりも、各パートが同じ方向へ押し出されていく感じが強い。CCRの演奏は決して過剰ではないが、音数の少なさが逆に輪郭をはっきりさせている。『Cosmo's Factory』の中でも、バンドの基礎体力が最初に見える曲と言えそうだ。

代表曲「Lookin' Out My Back Door」

アルバムの中でも特に知られているのが「Lookin' Out My Back Door」だ。軽快なテンポ、わかりやすいメロディ、素朴な言葉づかいがそろっていて、CCRの中でもかなり親しみやすい部類に入る。南部の風景を思わせるイメージが並ぶ一方で、音そのものはきわめて整理されており、フォガティの作曲の明快さがよく出ている。

この曲は、アルバムの中で重めのブルースや長尺曲が続く流れのなかに置かれることで、かえって存在感が増している。派手な演奏で押すのではなく、短い時間で耳に残る構成。CCRがシングルでも強かった理由が、そのまま見える1曲だ。

長尺カバー「I Heard It Through the Grapevine」

本作を語るうえで外せないのが、モータウンの名曲を大きく引き延ばした「I Heard It Through the Grapevine」だ。元はコンパクトなソウル・ナンバーだが、CCR版では長い演奏時間を使って、同じフレーズをしつこく、しかし崩さずに積み上げていく。ここでは、原曲の洗練された都会的な感触よりも、反復のうねりが前に出る。

この曲の面白さは、アレンジの派手さではなく、バンドが一定のテンションを保ったまま押し切る点にある。John Fogertyの歌とギターが曲を引っ張り、リズム隊がその下で粘る。カバーでありながら、CCRの演奏スタイルそのものを示す見本のような曲だ。

「Run Through the Jungle」と「Up Around the Bend」

「Run Through the Jungle」は、アルバムの中でもやや不穏な空気を持つ曲だ。リフの繰り返しと低めの緊張感が印象に残り、CCRの中では珍しく、テーマの輪郭より音の動きで引っ張る場面がある。ブルース・ロックの枠組みの中で、ただ明るく突き進むだけではない側面を見せる曲でもある。

一方の「Up Around the Bend」は、勢いのあるロックンロールとして機能している。ギターの推進力とコーラスの抜けがよく、アルバム後半を前向きに持っていく役割がある。CCRの代表曲として挙げられることが多いのも納得できる作りで、シンプルな構造の中にフックがきれいに収まっている。

盤としての特徴

このUSオリジナル盤はHollywoodプレスで、深い溝のあるラベル仕様が確認できる。A2の出版社表記がFigureになっている点も特徴で、後続の再プレスとはラベル表記が異なる。CCRの作品は再発や再プレスが多いが、Fantasy盤はこうした細かなラベル差があるため、オリジナル期の仕様を追う楽しみもある。

『Cosmo's Factory』は、CCRが短期間に積み上げた仕事量の頂点のひとつであり、同時にJohn Fogertyの強い統率力がそのまま作品に結びついたアルバムでもある。ブルース、ロックンロール、サザン・ロックの要素を、過不足なく並べた構成。派手な変化より、曲の強さと演奏の確かさで押し切る一枚として、1970年のアメリカン・ロックを代表する作品のひとつに数えられている。

トラックリスト

  1. A1 Ramble Tamble 7:09
  2. A2 Before You Accuse Me 3:24
  3. A3 Travelin' Band 2:07
  4. A4 Ooby Dooby 2:05
  5. A5 Lookin' Out My Back Door 2:31
  6. A6 Run Through The Jungle 3:09
  7. B1 Up Around The Bend 2:40
  8. B2 My Baby Left Me 2:17
  9. B3 Who'll Stop The Rain 2:28
  10. B4 I Heard It Through The Grapevine 11:05
  11. B5 Long As I Can See The Light 3:33

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