Edgar Froese - Stuntman (1979)
Edgar Froese 1979

Edgar Froese - Stuntman (1979)

Electronic Berlin-School

Edgar Froese『Stuntman』

タンジェリン・ドリームの中心人物、Edgar Froeseが1979年に発表したソロ作。タイトル曲「Stuntman」を含む全6曲構成で、同年夏にベルリンのAmber Studioで録音され、Hansa Studio Berlinでミックスされた。レコードのクレジットでは、制作・録音・エンジニアリングはフローゼ自身が担い、演奏にも深く関わっている。使用機材についても「電子式のアナログ/デジタル機材のみ、ただしグランドピアノを除く」と明記されている。

制作背景とエピソード

『Stuntman』は、従来の長尺2曲構成から離れ、短めの曲を6曲並べた作品として作られた。フローゼは1980年1月のインタビューで、この作品が「初めてアコースティック要素を外し」、自分一人で作れる音に絞った制作だったと語っている。さらに重要なのは、ここで初めてデジタル音色を導入した点で、ハンブルクの技術者ヴォルフガング・パルムが作成した波形テーブルを使ったとされる。制作、演奏、録音、ミックスまでをフローゼが深く担ったことが、この作品のクレジットからもはっきり見える。

UK盤のジャケット内袋はプリント仕様で、レーベル表記には「℗ 1979 Virgin Records Ltd」、裏面には「© 1979 VIRGIN MUSIC (PUBLISHERS) LIMITED ℗ 1979 VIRGIN RECORDS LIMITED」とある。盤面のラベルはVirginの1978年以降のグリーン/レッド系デザインで、「MADE IN ENGLAND」の表記付き。オリジナル盤としての1979年UK Virgin(V 2139)らしい仕様になっている。

時代の文脈

1979年は、タンジェリン・ドリームがベルリン・スクールの代表格として知られていた時期で、フローゼのソロ作もその流れの中に置かれている。同時期のバンド本体は映画音楽や大規模なシーケンサー志向を強めていたが、『Stuntman』ではフローゼ個人の制作姿勢がより直接に出ている。AllMusicのグレン・スワンは、本作について、サイケデリアとエレクトロニカの距離を縮める重要な転換点として扱っている。

AllMusicのレビューでは、序盤の表題曲よりも2曲目以降で作品の魅力が立ち上がるとされ、緻密に組まれたシーケンサーの土台の上に、フローゼのソロが流れるように重なる点が評価されている。電気ギターは控えめで、打楽器もほぼなく、繊細なアンビエンスが中心だと指摘されている。別のリスナー評では、古風なシンセと素朴でポップ寄りのメロディが特徴として挙げられている。

後年の扱い

本作は後年、2005年に再レコーディング版が出され、2012年には『Solo (1974–1983)』ボックスにも収録された。こうした再収録の流れからも、フローゼのソロ作品群の中で継続的に参照されてきたことがわかる。なお、今回確認できた範囲では、直接的なカバーやサンプリングの記録は見当たらない。

主要チャートでの実績は今回の範囲では確認できず、評価面ではAllMusicで高い評価を受けている。とはいえ、この作品の面白さは数字よりも、1979年の時点でフローゼが一人の制作者としてどこまで音を絞り込んだか、その記録として残っているところにある。

トラックリスト

  1. A1 Stuntman 4:13
  2. A2 It Would Be Like Samoa 10:40
  3. A3 Detroit Snackbar Dreamer 6:26
  4. B1 Drunken Mozart In The Desert 9:55
  5. B2 A Dali-Esque Sleep Fuse 8:26
  6. B3 Scarlet Score For Mescalero 4:12

動画プレイリスト

公開: 2026年10月
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