Spunk - Tighten It Up (1981)
Spunk 1981

Spunk - Tighten It Up (1981)

Electronic Funk / Soul Funk Disco P.Funk

Spunk『Tighten It Up』――シカゴ産のクラブ感覚をまとった1981年作

Spunkの『Tighten It Up』は、1981年にUSのGold Coastからリリースされたアルバムだ。シカゴのレーベル事情を背景にした作品で、クレジット上でも録音・ミックスはシカゴのCurtom Recording Studios、マスタリングはナッシュビルのMasterphonicsと、制作の流れがはっきりしている。盤面の表記はST-71,001で、カバーとスパインでも同番号が確認できる。なお、この盤はCapitol RecordsのWinchester工場でプレスされたバリエーションとして知られている。

BLT陣営の延長線上にあるサイド・プロジェクト

この作品は、Jesse Boyce、Jimmy Levine、Rich Tufoという、シカゴのBLT周辺で制作やアレンジを担ってきた人物たちが手がけたサイド・プロジェクトとして位置づけられている。いわゆるバンドの通常編成というより、制作現場で実績を積んだ人たちが自分たちの名義でまとめた1枚、という見え方が強い。Gold Coast自体も、Marv Stuartが立ち上げ、Cecil Holmesが社長を務めた1980年代シカゴのレーベルで、当時のブラック・ミュージックの制作環境と近いところにあるリリースだ。

先行シングル「Get What You Want」とLPの流れ

当時の業界紙では、先行45回転シングル「Get What You Want」がHot Soul Singles入りし、その後にLP『Tighten It Up』が続く流れとして告知されていた。つまり、アルバムは最初から単独で出たというより、シングルを起点に注目を集めた作品だったことがわかる。レコードの各曲にはMarv Stuart MusicやJABO Music、Round Top Music、SIFO Music Pub.などの出版クレジットが入り、制作と権利管理の体制も当時のソウル/ファンク系作品らしい構成になっている。

音の印象――ファンクのリズムにディスコ以後の整理された感触

内容面では、ファンクの推進力を軸にしながら、ディスコ以後のダンス志向が前面に出た作りとして語られることが多い。タイトル曲「Tighten It Up」や「La Bimini」は、ストレートにビートを立てるタイプの楽曲として扱われることが多く、クラブ向けの質感がはっきりしている。P.Funk的な要素を含みつつも、分厚く引き延ばすというより、リズムの切れと反復で押していく方向性が見えやすい。シカゴ産のダンス・ミュージックが、70年代のファンクと80年代初頭のクラブ感覚のあいだをつないでいた時期の空気が感じられる1枚だ。

聴感上は、演奏の派手さよりも、グルーヴの組み立てを優先した印象が残る。ベースとドラムの粘り、ホーンの差し込み、鍵盤の配置が、それぞれ前に出すぎずに噛み合っていくタイプで、制作畑の人間が作った作品らしい整理された手触りがある。派手な展開で引っ張るというより、同じモチーフを少しずつ変化させながら進める場面が目立つ。

レア盤としての評価と、後年の見られ方

当時の大ヒット盤だった形跡は強くなく、主要チャートで大きく上位に食い込んだ記録も見当たらない。一方で、後年の再発盤や中古市場では「レアな80sファンクの名盤」として扱われることがあり、クラブ系のリスナーからの再評価が進んだ作品でもある。特に、ディスコから初期ハウスへ移る前後のシカゴのダンス感覚を読むうえで、手がかりになりやすいアルバムとして見られている。

制作面では、Jesse Boyce、Jimmy Levine、Rich Tufoという3人がすでに他アーティストの制作やアレンジで実績を持っていた点も重要だ。自分たちの制作言語を、そのままアルバム単位でまとめたような性格があり、シングル志向とアルバム志向の中間にある作品として整理しやすい。シカゴのスタジオ、地元レーベル、そしてダンス志向の楽曲という条件がそろったことで、当時のローカルなソウル/ファンクの実像がよく出ている。

まとめ

『Tighten It Up』は、1981年のシカゴ産ファンク/ダンス・アルバムとして、制作現場の人脈とクラブ向けの感覚がそのまま形になった作品だ。先行シングル「Get What You Want」を含む流れ、Gold Coastというローカル・レーベルの存在、Curtom録音という背景まで含めると、単なる一発ものではなく、当時のシカゴ・ブラック・ミュージックの実務的な強さが見えてくる。派手な成功譚よりも、現場の手触りで聴かれるべき1枚という印象が残る。

トラックリスト

  1. A1 Get What You Want 5:04
  2. A2 Hot Flashes 4:50
  3. A3 Love Looks Good On You 4:05
  4. A4 Crazy Me 4:00
  5. B1 Tighten It Up 4:04
  6. B2 A Friend Ain't A Friend 3:50
  7. B3 Expose Yourself 5:05
  8. B4 La Bimini 5:02

動画プレイリスト

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