Judy Mowatt - Working Wonders (1987)
Judy Mowattの『Working Wonders』は、ソロ活動を本格化させた時期の作品として語られるアルバムです。Judy MowattはBob Marley & The Wailersを支えたI-Threesの一員として知られ、その後のソロ活動では、自身の経験や人生を曲に反映させてきたと後年のインタビューでも述べています。『Working Wonders』は、そうした姿勢が前面に出た一枚として扱われています。
制作背景
このアルバムは、1985年に米Shanachieから発売された作品で、制作クレジットではJudy MowattとSkip Drinkwaterの共同プロデュースが確認されています。録音はジャマイカのTuff Gong、Dynamic Sounds、Music Mountainに加え、米国のCriteria Sound、Kajem Soundでも行われました。ミックスはKajem Soundで実施されています。
参加クレジットの細部まではここでは触れませんが、制作拠点がキングストンと米国の複数スタジオにまたがっている点は、アルバムの制作体制を示す重要な情報です。日本盤のクレジットでは、Distributed by Canyon Records, Inc., Japan、℗1986 Overheat Records、そしてBlackstar Line/Sonny Ochiai (N.Y.)、Overheat Music, Inc.の表記も見られます。プロモーション盤として流通したことも記されています。
収録曲の中ではタイトル曲「Working Wonders」が特に注目され、Los Angeles Timesはこの曲を“adult or black urban radio”向きと評しています。こうした記述からは、レゲエの枠内だけでなく、より広いラジオ・フォーマットに届く性格を持つ曲として受け止められていたことがうかがえます。
時代の文脈
『Working Wonders』は、Judy Mowattが女性レゲエ・アーティストとして初めてグラミー賞ノミネートを受けた作品として位置づけられています。1980年代半ばのレゲエ界で、彼女はI-Threesの経験を経てソロの前面に立ち、このアルバムでその立場をさらに明確にしました。Billboard掲載情報では、彼女とSkip Drinkwaterの共同プロデュースであることも確認されています。
また、Los Angeles Timesの記事では本作がグラミーにノミネートされたアルバムとして言及され、Judy Mowattのステージでの表現力にも触れられています。別の資料では、彼女がNAACP Image Awardにもノミネートされたと回想されています。こうした記録は、『Working Wonders』が当時の評価の中で一定の位置を占めていたことを示しています。
後世への影響
今回確認できた範囲では、明確なカバーやサンプリングの記録は見当たりません。ただし、The Reggae MuseumではJudy Mowattがレゲエ史の中で重要人物として扱われており、『Working Wonders』も彼女の代表作の一つとして挙げられています。再評価の文脈では、このアルバムが彼女のソロ期を代表する作品として参照され続けている点が重要です。
Judy Mowattの『Working Wonders』は、ジャマイカ、米国、日本をまたぐ制作・流通の記録が残る作品であり、グラミー賞ノミネートという実績も持つ一枚です。タイトル曲を軸に、当時のメディア評価や後年の再評価が追えるアルバムとして、彼女のキャリアの中でもはっきりした位置を占めています。
トラックリスト
- A1 Black Man, Brown Man
- A2 Working Wonders
- A3 Lovemaking
- A4 Let's Dance
- A5 So Many Eyes
- B1 Mother Africa
- B2 Ethiopia Salaam
- B3 Hush Baby Mother
- B4 Traveling Woman
- B5 King's Highway