Dennis Brown - Wolf & Leopards (1977)
Dennis Brown / Wolf & Leopards (1977)
Dennis Brownの『Wolf & Leopards』は、1977年にジャマイカのWeed Beatから出たルーツ・レゲエ作品。タイトル曲を掲げたこの時期のDennis Brownは、すでに若手スターの枠を越えて、ジャマイカの録音音楽を代表する歌手のひとりとして見られていた。ソウルフルな歌い回しと、きっちり前に出るメロディの運びがはっきりした時期の一枚という位置づけになる。
Dennis Brownという存在
Dennis Brownは1957年生まれ、キングストン出身。10代から頭角を現し、“Money In My Pocket”、“Sitting and Watching”、“Cassandra”、“No More Will I Roam” など、多くの代表曲を残した。ジャマイカのレゲエ史では、Bob MarleyやGregory Isaacsと並んで語られることが多い歌手で、特に70年代はアルバム単位でも重要な仕事が続いている。
この『Wolf & Leopards』も、その70年代後半の流れに置かれる作品。Weed BeatはDynamic Sounds系のレーベルで、ルーツ・レゲエ寄りの作品を多く出していたことで知られる。レーベルの性格とDennis Brownの持ち味が、かなり自然に重なっている。
作品の手触り
この時期のDennis Brownの録音は、声の芯がはっきりしていて、言葉の置き方も明快。『Wolf & Leopards』もその延長線上にある作品として捉えやすい。ルーツ・レゲエらしい落ち着いた土台の上で、歌が前に出る作りで、派手な演出よりも、曲の流れと歌の説得力で聴かせるタイプの一枚だ。
実際に聴くと、Dennis Brownの声がリズムの上でどう伸びるか、どこで少し力を抜くかといった細かな運びが目に入りやすい。レゲエの中でも、歌ものとしての輪郭がはっきりしている作品と言える。
1977年のジャマイカ・ルーツ・レゲエの文脈
1977年は、ジャマイカでルーツ・レゲエが強く存在感を持っていた時期。社会的なテーマ、ラスタファリの意識、重いベースラインと落ち着いたテンポが、当時の録音に広く見られる。Dennis Brownはその流れの中で、メッセージ性と歌の親しみやすさを両立させる歌手として際立っていた。
同時代の比較で言えば、Bob Marley & The Wailersのような国際的な広がりを持つ表現とはまた違い、Dennis Brownはより“歌”の部分が前に出る場面が多い。Gregory Isaacsのような乾いた語り口とも異なり、Dennis Brownは柔らかさと推進力を併せ持つ。
タイトル曲について
アルバム・タイトルの“Wolf & Leopards”は、作品の核として置かれている曲。ジャマイカの70年代レゲエらしく、象徴的な言葉を使って状況や人間関係を描くタイプの題材として受け取れる。Dennis Brownの歌声が、その言葉に直接さを与えているのが印象的なところ。
まとめ
『Wolf & Leopards』は、1977年のDennis Brownを知るうえで、かなりわかりやすい一枚。Weed Beatというルーツ・レゲエ志向のレーベルから出たことも含めて、当時のジャマイカの空気がそのまま入っている作品だ。Dennis Brownの代表的な70年代仕事を追う流れの中でも、歌の強さとルーツ・レゲエの文脈がきれいに結びついたアルバムとして見えてくる。
トラックリスト
- A1 Wolf And Leopards
- A2 Emanuel
- A3 Here I Come
- A4 Whip Them Jah Jah
- A5 Created By The Father
- B1 Party Time
- B2 Rolling Down
- B3 Boasting
- B4 Children Of Israel
- B5 Lately Girl
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