Lindstrøm - Six Cups Of Rebel (2012)
Lindstrøm『Six Cups Of Rebel』について
ノルウェーのプロデューサー/マルチ奏者、ハンス=ピーター・リンドストロームが2012年2月にSmalltown Supersoundから発表したアルバムが『Six Cups Of Rebel』である。同年には『Smalhans』も続けてリリースしており、この時期のリンドストロームの動きはかなり活発だった。『Six Cups Of Rebel』は、ソロ作品として初めて自分のヴォーカルを全面的に取り入れた作品でもある。
制作背景
制作の大きな転機として語られているのが、機材の総入れ替えである。リンドストロームは、ヴィンテージ機材の手入れに音楽制作以上の時間を費やしていることに気づき、「古いものは全部捨てて、新しいMacを手に入れることにした」と述べている。オスロの自宅スタジオでは、Logic、MIDIキーボード、ソフトウェア・シンセという簡素な環境へ切り替えたという。
この作品は、そうした制作環境の変化の中で生まれたアルバムとして記録されている。レコードのノートには、ゲートフォールド・スリーブ仕様での発売、CDの同梱、初回盤にボーナス・ミックスCD『Six Cups of Rebel: Exclusive Bonus Tsugi Mixtape』が付属したことも記されている。
時代の文脈
リンドストロームは、プリンス・トーマスとの共作などで「スペース・ディスコ」の代表的な存在として知られてきた人物で、2010年にはChristabelleとの『Real Life Is No Cool』で、よりきらびやかなポップ路線にも踏み込んでいた。『Six Cups Of Rebel』は、その流れから離れ、ファンク、ディスコ、プログレッシヴ・ロックへと大きく振れた作品として紹介されている。
同時代の動きとしては、バレアリック・ハウスから、よりポップで前衛的な領域へ向かう変化の中に置かれている。Smalltown Supersoundは、オスロを拠点に新しい形のジャズ、ロック、エレクトロニック・ミュージックに取り組むレーベルで、本作もその文脈で出てきた1枚である。
聴きどころと受け止められ方
アルバム冒頭の「No Release」は教会のオルガンの響きで始まるとされ、全体にはせわしないリズム、うねるベースライン、リンドストローム自身の歪ませたヴォーカルが並ぶと評されている。
批評は分かれている。The Line of Best FitのMatt Connerは、トレードマークのスペース・ディスコから離れた「興味深く、時に引き込まれる」作品としており、ゴスペル風のヴォーカル・アレンジ、深いホーン、ハンドクラップ、トライバルなブレイクダウンを7分に詰め込んだ「De Javu」を最高の曲に挙げている。一方で「No Release」は5分を過ぎるとかなり骨が折れるとも述べている。
PopMattersのDaniel Nils Robertsは10点満点中6点とし、「この色とりどりの音の猛攻はスリリングであるべきで、時にはそうなりかけるが、中途半端なアイデアを投げ込みすぎて互いを押しつぶしている」と書いている。さらにラストの「Hina」にはタンジェリン・ドリームの影響を指摘している。
その後の見え方
2012年の時点でリンドストロームが自分のヴォーカルを前面に出し、制作環境も大きく変えた作品として残っている点ははっきりしている。『Six Cups Of Rebel』は、同年の『Smalhans』へつながる流れの中でも、制作方法と表現の両方で節目になったアルバムとして整理できる。
トラックリスト
- A1 No Release
- A2 De Javu
- B1 Magik
- B2 Quiet Place To Live
- C1 Call Me Anytime
- C2 Six Cups Of Rebel
- D Hina
- 1 No Release
- 2 De Javu
- 3 Magik
- 4 Quiet Place To Live
- 5 Call Me Anytime
- 6 Six Cups Of Rebel
- 7 Hina
動画プレイリスト
このアーティストについて
Lindstrømは、ノルウェー出身のHans-Peter Lindstrømによる名義だ。1973年2月16日生まれで、ノルウェー南西部の小さな漁村Flekkefjordで育った。子ど...
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