Rupert Hine - Waving Not Drowning (1982)
Rupert Hine 1982

Rupert Hine - Waving Not Drowning (1982)

Electronic Synth-pop

Rupert Hine『Waving Not Drowning』

Rupert Hineが1982年に自身名義で発表した4作目のソロ・アルバム。前作『Immunity』に続く一枚で、作曲はRupert Hine、作詞はJeannette Obstojという分担でクレジットされている。A&M RecordsからUK盤として出た作品で、後年にはCDでも出ている。

制作背景・エピソード

AllMusicでは、本作は前作よりも「より直接的」な作りに寄せられた作品として扱われている。シンセは前面に出すのではなく背景の質感として使われ、ピアノを中心に据えた構成になっているという。Rupert Hine自身は後年のインタビューで、このアルバムで1982年に「Best Electronic Album of the Year」を受賞した一方、作品自体は「ほとんど電子的ではなかった」と振り返っている。

公式ディスコグラフィーでは、作曲と作詞の役割が明確に分けられている点も確認できる。こうしたクレジットの整理は、ソロ作でありながら、制作の中身がきちんと役割分担された作品だったことを示す要素になっている。

時代の文脈

1982年という年は、ニュー・ウェイヴやポスト・パンクの要素がポップスに入り込み、スタジオでの音作りや細かな処理が重視されていた時期。『Waving Not Drowning』はAllMusicでニュー・ウェイヴ/アルバム・ロックに位置づけられているが、実際の説明ではピアノ主体で、音響の細部まで作り込まれた作品として語られている。

また、Rupert Hineはこの頃すでにプロデューサー/アレンジャーとしても活動しており、本作は1981〜83年の創作期を示す連作の一角として後年まとめて扱われている。2022年には『Surface Tension: The Recordings 1981-1983』でも再び取り上げられ、ソロ作の中でも代表的な時期の作品として整理されている。

聴きどころとして挙げられている点

François CoutureはAllMusicで、本作を前作より「冒険的ではないが、より直接的」と評し、シンセを前景から退けてピアノを中心に置いた点を強調している。英Electricity Clubは、構造とアレンジがやや親しみやすい一方で、実行面では依然として冒険的だと述べ、「The Set Up」を代表曲の一つとして挙げている。

要するに、このアルバムは派手な電子音を押し出すタイプではなく、歌の運び、アレンジの組み立て、細かな音響処理に目が向けられている作品として語られている。Rupert Hineのソロ作の中でも、1981年から1983年にかけての流れを知るうえで重要な一枚として扱われている。

補足

チャート面では、Billboardの「Hits of the World」で英国圏の一覧に登場し、掲載順位は8位だった。大きなヒット作というより、批評面とコアなリスナー層で評価された作品として記録されている。

UKオリジナル盤には「Made In England」の記載があり、リテール向けの一部コピーには裏ジャケットに金色のプロモーション・スタンプが押されているものもある。

トラックリスト

  1. A1 Eleven Faces 3:44
  2. A2 The Curious Kind 4:46
  3. A3 The Set Up 4:29
  4. A4 Dark Windows 3:22
  5. A5 The Sniper 5:32
  6. B1 Innocents In Paradise 3:24
  7. B2 House Arrest 4:18
  8. B3 The Outsider 5:29
  9. B4 One Man's Poison 6:13

動画プレイリスト

公開: 2026年10月
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