The Young Rascals - Groovin' (1967)
The Young Rascals 1967

The Young Rascals - Groovin' (1967)

Rock Funk / Soul Pop Rock Soul Classic Rock

The Young Rascals『Groovin'』レビュー

1967年の『Groovin'』は、The Young RascalsがAtlanticから発表した3作目のスタジオ・アルバムである。ニュージャージー州ガーフィールド出身の4人組が、それまでの勢いのあるR&B寄りのバンド像から少し離れ、メロディとリズムのバランスを整えた時期の作品として位置づけられる。バンド名義としては、これが「The Young Rascals」名義の最後のアルバムで、次作からはThe Rascalsへと表記が変わる。

本作の中心にあるのは、やはりタイトル曲「Groovin'」だ。全米シングル・チャートで1位を獲得した代表曲で、当時の彼らを一気に広い層へ押し上げた。バンドの初期を思わせる強いビートや押しの強いオルガン主体の曲調とは少し違い、ここではゆったりした時間の流れが前面に出る。フェリックス・キャヴァリエがオルガンではなくピアノを弾き、ディノ・ダネリはコンガやウッドブロックを担当している。そこにハーモニカや鳥のさえずりの効果音が重なり、午後の空気感をそのまま切り取ったような作りになっている。

作品の背景と録音の輪郭

収録曲の多くは、キャヴァリエとエディ・ブリガッティの作曲コンビによるもの。セッションは1966年5月から1967年6月にかけて行われ、プロデュースはバンド自身がクレジットされている。アルバム全体を通してみると、ソウル、ポップ、ロックの要素が無理なく並び、RascalsらしいR&Bの芯を残しながら、サイケデリック方面へ少し視線を向けた配置になっている。

タイトル曲については、当時のツアー生活の中で、日曜にしか会えなかった恋人と過ごす午後の感覚が歌の核にあるとされる。リズム面では、キャヴァリエが北部の山岳リゾートで触れたラテン音楽、特にバイヨンの影響が入っているという話も残る。ジェリー・ウェクスラーは従来のバンド像から離れた内容として当初は難色を示したが、DJのマレー・ザ・Kが強く後押しし、オンエアの約束もあって発売につながった、というエピソードもある。

ヒット曲が支えるアルバム

『Groovin'』はタイトル曲だけでなく、シングルの強さでもアルバムとしての印象を決めている。「A Girl Like You」は全米10位、「How Can I Be Sure」は4位を記録し、ヒットが続いた。どの曲も、単に勢いで押すのではなく、歌メロの輪郭がはっきりしている。ソウル・グループとしての出自を持ちながら、当時のポップ・ロックの文脈にも自然に接続している点が、この時期のRascalsの特徴だろう。

全米Top LPsでは最高5位、R&Bアルバム・チャートでは7位、カナダでも2位を記録している。アメリカ東海岸のバンドが、白人ポップ・ロックと黒人音楽の境界をまたぎながら広く受け入れられていた1967年という年の空気が、この成績にも表れている。

同時代の中での立ち位置

同時代のグループで比べると、The Young RascalsはThe BeatlesやThe Beach Boysのようなスタジオ志向の大作主義とは少し違い、ソウル由来のグルーヴを保ちながら、曲ごとに質感を変えていくタイプだった。『Groovin'』ではその持ち味がかなり整理されていて、ガレージ色の強かった初期から一段進んだ印象がある。後のThe Rascals期に向かう橋渡しとしても分かりやすい。

ラストの「It's Love」ではヒューバート・ロウズがフルートを吹いており、アルバムの終わりに向けて音の抜けを作っている。全体としては、派手な技巧を見せるより、曲の流れと歌の輪郭を保つ作り。そこに1967年らしいソウル・ポップの感触が乗っている。

USオリジナル盤の仕様

このUS盤はAtlanticのSD 8148。オリジナルのステレオ盤として流通した仕様で、背面は青、内側に4人のメンバーを収めた折りたたみポスターが付く。ジャケットには「This album is dedicated to the memory of Mike Owen」というクレジットも入る。初期盤ではラベルやマトリクス表記にいくつかのバリエーションがあり、同じ1967年盤でも細部に差が見られる。

Atlanticというレーベル自体も、ソウルやR&Bの強い基盤を持ちながら、ロックの重要作を多く抱えていた時期で、本作もその流れの中にある。『Groovin'』は、The Young Rascalsが単なるヒット・バンドではなく、曲調と編成の変化で表情を広げた時期の記録として残る一枚だ。

トラックリスト

  1. A1 A Girl Like You 2:46
  2. A2 Find Somebody 3:40
  3. A3 I'm So Happy Now 2:46
  4. A4 Sueno 2:45
  5. A5 How Can I Be Sure 2:50
  6. B1 Groovin' 2:25
  7. B2 If You Knew 3:01
  8. B3 I Don't Love You Anymore 3:04
  9. B4 You Better Run 2:25
  10. B5 A Place In The Sun 4:50
  11. B6 It's Love 3:10

動画プレイリスト

公開: 2026年10月
Share
戻る

あわせて聴きたい "Pop Rock"

toast