Tori Amos - In Times Of Dragons (2026)
Tori Amos 2026

Tori Amos - In Times Of Dragons (2026)

Rock Pop Art Rock Alternative Rock

Tori Amos『In Times Of Dragons』について

Tori Amosの『In Times Of Dragons』は、2026年にリリースされた作品で、世界向けの盤としてFontanaから登場した。Tori Amosは、ピアノを軸にしたソングライティングと、繊細さと緊張感を同居させる歌唱で知られるアメリカ出身のシンガー・ソングライター/ピアニストだが、この作品でもその持ち味が前面に出ている。ジャンル表記はRock、Pop、スタイルはAlternative Rock、Art Rock。いわゆる大きなポップの文法に寄せすぎず、曲ごとの構成や音の置き方に意識が向くタイプの一枚として見てよさそうだ。

盤としては、ゲートフォールド仕様のスリーブに加えて、歌詞、クレジット、サンクス、写真を収めたプリント入りインナーが付属する。背面のシュリンクには「Made in Germany」ステッカーが貼られており、内袋やジャケット周りまで含めて、物としての作り込みがしっかりしている。さらに一部のショップではサイン入りアートカード付きでも流通していたようで、通常盤とは少し違ったコレクション性も持っている。

作品の位置づけ

Tori Amosは1990年代以降、ピアノ主体のオルタナティブ・ロックを代表する存在として語られてきた。女性シンガーソングライターの系譜の中でも、単なる弾き語りに収まらず、構成、音色、言葉の組み立てまで含めて作品を作るアーティストとして評価されてきた人だ。『In Times Of Dragons』も、その延長線上にあるタイトルとして捉えやすい。録音、ミックス、マスタリングの体制を見ると、CornwallのMartian AVでの録音・ミックス・マスタリングに加え、ロサンゼルスのStudio MezzanotteでJohn Philip Shenaleがシンセ、サンプラー、オーケストラ・アレンジを担当している。ピアノ中心の核に、周辺の音像を慎重に積み上げた制作像が浮かぶ。

バイナル・マスタリングはAbbey RoadのMiles Showellが担当しており、クレジットには「MILES. ABBEY ROAD. 1/2 SPEED. ROOM30」といった表記も見える。音量やレンジを無理に押し広げるのではなく、レコード再生での聴きやすさや輪郭を意識した仕上げが想像しやすい。実際の聴感についてはここでは断定しないが、こうした制作情報からは、歌詞の細部やピアノのアタック、周辺のシンセやアレンジのレイヤーを丁寧に追える設計の作品として読むことができる。

注目したいポイント

この作品でまず目を引くのは、Tori Amosらしい“歌うピアノ”の存在感だ。派手なビートや大掛かりなギミックで押すのではなく、フレーズの間合い、コードの進行、声の置き方で曲の温度を作っていくタイプの作りが想像できる。Alternative RockやArt Rockというタグは、そのままサウンドの派手さを示すというより、曲の構造や語り口に少しひねりがあることを示しているように見える。

また、インナーに記されたクレジットからは、歌詞と音の両方が作品の重要な要素であることがわかる。Songwritingの中心にはTori Amos自身がいて、出版権はSword And Stone、管理はDowntown Music Publishing。こうした表記は、作品が単なるアルバム単位の流通物ではなく、言葉と演奏が一体になった著作物としてきちんと設計されていることを示している。

リリース情報とレーベル

リリース元のFontanaは、もともと長い歴史を持つレーベルだが、2025年の再編でUniversal Music UKのジャズ/ポップ系の拠点として再び位置づけられている。『In Times Of Dragons』はその流れの中で出た作品で、Universal International Music B.V.を通じたWorldwide展開、EU製造の盤という形になっている。盤面や背面のクレジットにも、こうした国際流通向けの整理された情報がきちんと入っている。

なお、北米向けには別の版が用意されており、この盤は北米以外のテリトリー向けインターナショナル版として案内されている。レーベル番号は881 786-5で、7桁のカタログ番号体系が使われていることから、1970年以降の番号フォーマットに沿った現代的な管理の盤でもある。こうした細部からも、アーティスト作品としての位置づけと、現在の流通環境の両方が見えてくる。

まとめ

『In Times Of Dragons』は、Tori Amosの核にあるピアノ主体の作曲と、言葉の強さ、編曲の精度がまとまった2026年作品として整理できる。ゲートフォールド、歌詞入りインナー、Abbey Roadでのバイナル・マスタリングなど、物理盤としての完成度も高い。90年代から続く彼女の作品群の中でも、音像の作り込みと国際流通の設計がはっきり見える一枚として記録されるだろう。

トラックリスト

  1. A1 Shush
  2. A2 In Times Of Dragons
  3. A3 Provincetown
  4. B1 St. Teresa
  5. B2 Gasoline Girls
  6. B3 Ode To Minnesota
  7. B4 Fanny Faudrey
  8. B5 Veins
  9. B6 Strawberry Moon
  10. C1 Song Of Sorrow
  11. C2 Flood
  12. C3 Pyrite
  13. C4 Tempest
  14. D1 Angelshark
  15. D2 Blue Lotus
  16. D3 Stronger Together
  17. D4 23 Peaks

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