Vinyl Record Reviews
bdrmmは、イギリス・ハル出身のドリームポップ/シューゲイザー・バンドだ。結成は2016年で、読み方は「ベッドルーム」。フロントマンのRyan Smithが自室で始めたベッドルーム・プロジェクトが出発点になっている。
初期デモがBBC Radio 1で取り上げられたことをきっかけに、弟のJordan Smithや友人たちが加わり、バンド編成へと発展した。現在のメンバーはConor Murray、Danny Hull、Joe Vickers、Jordan Smith、Ryan Smith。
結成初期は、Ryan Smithの個人的な制作から始まったプロジェクト色の強い形だったが、ライブやデモ公開を経て、2019年にシューゲイザー系レーベルのSonic Cathedralと契約している。同年10月にはデビューEP『If Not, When?』を発表した。
2020年には1stアルバム『Bedroom』をリリース。この作品は、静かな展開と厚みのある音像を軸にした内容で、NMEが5つ星評価を付けて「現代のシューゲイザー・クラシック」と評したことでも注目を集めた。
その後、2023年にはMogwaiが運営するRock Action Recordsへ移籍し、2ndアルバム『I Don't Know』を発表している。作品ごとに制作の幅を広げながら活動を続けているバンドだ。
bdrmmの音楽は、シューゲイザーを軸にしながら、インディーポップ、ドリームポップ、エレクトロニック、ロックの要素を組み合わせている。ギターの壁だけに寄せず、曲によってはアンビエント、トリップホップ、スロウコア、ジャズの感触も取り込んでいる。
1stアルバム『Bedroom』では、反復するギターや残響の多い音作りが目立つ。一方で『I Don't Know』では、そうした基本線を保ちながら、より広い音楽要素を入れている。シューゲイザーの文脈に置きつつ、別のジャンルの手触りも混ぜる作り方が特徴になっている。
bdrmmはデビュー作から批評家の注目を集めてきた。『Bedroom』は高評価を受け、続く『I Don't Know』もMetacriticで80点台のスコアを記録している。作品単位で見ると、初期のシューゲイザー的な手法から、より広い音楽性へ進んでいる流れが見える。
レーベル面でも、Sonic CathedralからRock Action Recordsへと移っていて、シューゲイザー周辺のシーンと強く結びつきながら活動していることがわかる。Mogwaiが関わるレーベルに移籍した点も、現在のサウンドの方向性を考えるうえで重要な要素になっている。