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Candi Staton(キャンディ・ステイトン)は、1940年3月13日生まれ、アメリカ・アラバマ州ハンスビル出身のシンガーだ。ジャンルはソウル、R&B、ディスコ、ゴスペルにまたがっていて、活動初期から現在まで長く歌い続けている。サザン・ソウルを代表する女性歌手として知られ、「First Lady of Southern Soul」と呼ばれてきた。
幼いころに教会で歌っていたところをきっかけに注目され、姉のMaggieと一緒に歌った即興の歌がきかっけで歌手活動へとつながった。牧師のBishop M.L. Jewellがグループを作り、そこにNaomi Harrisonを加えた編成で活動を始めたが、Candiは17歳のころにそのグループを離れている。
その後、1968年にはカントリー歌手Billy Walkerとのデュエット「The Judgement」を録音したが、ヒットにはつながらなかった。転機になったのは、兄の勧めでBirminghamの27/28 Clubのアマチュア・ナイトに出場したことだ。そこで「Do Right Woman」を歌って優勝し、R&B歌手Clarence Carterの前座を務めることになった。その流れでツアーに同行し、レーベル契約へと進んでいった。
1969年にデビュー作を発表して以降、Candi Statonは数年間にわたってサザン・ソウルの重要な歌い手として活動した。タミー・ワイネットなどのカントリー曲をソウル寄りに歌い直した作品でも知られ、Stand by Your Man などで評価を集めている。
この時期の特徴は、カントリーの楽曲をソウルの語法で歌う点にある。曲の構造は元のままでも、歌い方やリズムの置き方で印象を変え、南部のR&Bとカントリーの接点をはっきり示していた。
1974年にWarner Bros.へ移籍すると、ダンス・ミュージック寄りの作品に取り組むようになる。1976年の「Young Hearts Run Free」は、Candi Statonの代表曲として広く知られている。全米R&Bチャートで1位、全英で2位を記録し、ディスコ期の大きなヒットになった。
この曲は、軽快なビートの上で女性の自立や関係性のしんどさを歌う内容で、クラブでの支持も長く続いた。サザン・ソウルの歌い手として知られていたCandiが、ディスコの文脈でも強い存在感を示した作品だ。
1980年代に入ると、Candi Statonは世俗音楽から離れ、ゴスペル活動に軸足を移した。Atlantaで自身のゴスペル・レーベルを立ち上げ、宗教音楽の分野でも活動を続けている。ソウル、R&B、ディスコを経てゴスペルへ戻る流れは、彼女のキャリア全体を通して見える大きな動きだ。
1986年の「You Got the Love」は、当初は大きなヒットではなかったが、1991年にThe Sourceとのコラボレーション版が全英4位を記録し、ヨーロッパでは200万枚以上を売り上げた。クラブ・クラシックとして扱われるようになり、後年のダンス・ミュージックやハウス方面にも影響を残している。
Candi Statonの歌は、声の強さだけで押し切るタイプではなく、歌詞の内容をはっきり伝える進め方が目立つ。サザン・ソウル期は、カントリー曲を素材にしても感情の置き方がぶれず、ディスコ期はテンポの速い曲でも言葉の輪郭が残る。ゴスペルではそのまま宗教音楽の文脈に接続している。
Candi Statonは、サザン・ソウルの時代からディスコ、そしてクラブ・ミュージックの再評価まで、複数の時代で曲が聴かれ続けている。オリジナルのソウル・シーンだけでなく、後年のダンス・ミュージックやヨーロッパのクラブ文化でも存在感を持った点が特徴だ。
1994年には自伝This Is My Storyを出版していて、そこでは自身のキャリアや私生活の浮き沈みが語られている。長い活動歴の中で、ソウル・シンガー、ディスコ・アーティスト、ゴスペル歌手としての顔を行き来してきた人物として、今も参照され続けている。