Vinyl Record Reviews
Rhyze(ライズ)は、アメリカ・ニュージャージー州ジャージー・シティ出身のソウル/ファンク/ポスト・ディスコ・バンド。1980年代初頭のニューヨーク周辺のダンス・ミュージック・シーンにおいて、洗練されたアーバン・ブギーと生演奏ファンクのダイナミズムを融合させたサウンドで絶大な人気を誇った。
バンドのルーツは、1970年代初頭に結成されたブラス入りファンク・グループ「The Nu-Sound Express Ltd.」にある。クラブやライブ・ハウスで鍛え上げられた強靭な演奏力を武器に、1970年代末にRhyzeへと改名。プロデューサーのポール・L・カイザー(Paul L. Kyser)に見出され、ニューヨークの名門インディ・ダンス・レーベルSam Recordsと契約を結んだ。
編成は、エルスワース・アンダーソン(リード・ボーカル、ベース)、ロスコー・テイラー(リード・ボーカル、パーカッション)、ヴィンス・ジャクソン(ギター)、チャールズ・ホームズ(ドラムス)、ケヴィン・バービー(キーボード)、ケネス・ヒックス(サックス)、リチャード・メンター(トランペット)らによる大所帯で、分厚いアンサンブルを特徴とした。
1980年に発表したファースト・アルバム『Just How Sweet Is Your Love』は、グループの名を一躍知らしめた傑作である。表題曲は、うねるスラップ・ベースと華麗なホーン・セクション、そして甘くソウルフルなボーカル・ハーモニーが完璧に噛み合った80sアーバン・ブギーの決定打となり、米国のダンス・チャートで大ヒットを記録した。
さらに同作収録の「Free Love」や「Singing & Dancing」、続くセカンド・アルバム『Rhyze to the Top』(1981年)のタイトル曲など、フロア直結のダンサブルなファンク・ナンバーを次々と世に送り出した。
彼らの楽曲は、ニューヨークの伝説的クラブParadise Garageにおいてラリー・レヴァン(Larry Levan)にヘヴィ・プレイされ、シカゴのウェアハウス・シーンなどでもDJたちの定番として愛され続けた。
1990年代以降はマスターズ・アット・ワーク(Masters At Work)らハウス・ミュージックのプロデューサーたちによるサンプリングやカバーを通じて再評価され、ディスコからハウスへの橋渡しとなった生音アーバン・ブギーの至宝として今なお熱烈に支持されている。