Vinyl Record Reviews
Leon Russell(レオン・ラッセル、本名Claude Russell Bridges)は、1942年4月2日生まれ、アメリカ・オクラホマ州ロートン出身のミュージシャン/ソングライターだ。2016年11月13日にテネシー州ナッシュビルで亡くなっている。ロックを軸に、セッション・ミュージシャン、サイドマン、ソロ・アーティストとして活動した人物で、2011年にはソングライターの殿堂とロックの殿堂の両方に入っている。
ラッセルはまず、ロサンゼルスで活動していたセッション・ミュージシャン集団「レッキング・クルー」の一員として知られるようになった。ビーチ・ボーイズやヴェンチャーズなど、当時の多くの録音に参加している。表に立つシンガーというより、録音現場で演奏やアレンジを支える側からキャリアを広げたタイプだ。
その後、ソロ活動へ移り、演奏だけでなく作曲、編曲、プロデュースでも存在感を示していく。
ラッセルは生まれつき右半身に脳性麻痺があり、それが左手主導の独特なピアノ・スタイルにつながったとされている。本人は、この障害によって物事の二面性を強く意識するようになったとも語っていた。
演奏面では、ピアノを軸にしたロック、ソウル、ゴスペル、カントリーの要素が混ざる楽曲が多い。派手な技巧を前面に出すというより、曲の構造やリズム、コード進行を使って曲を組み立てる場面が目立つ。
1969年にはプロデューサーのデニー・コーデルとともにShelter Recordsを共同設立した。レーベル運営に関わりながら、自分の作品だけでなく周囲のアーティストの制作にも関わっている。
特にジョー・コッカーとの仕事は重要で、1969年のアルバムで共同プロデュースとアレンジを担当し、1970年の大規模ツアー「Mad Dogs & Englishmen」も取り仕切った。演奏者、作曲者、バンド・リーダー、制作側の役割をまたいで動いていた点が、ラッセルの活動の特徴になっている。
ソングライターとしては、「A Song for You」と「This Masquerade」がよく知られている。「A Song for You」は200以上のカバーが録音され、「This Masquerade」はジョージ・ベンソンのカバーで1977年のグラミー賞最優秀レコードを受賞した。
1971年には、ジョージ・ハリスン主催のバングラデシュ・コンサートに出演している。ボブ・ディラン、エリック・クラプトンらと並ぶ形で参加しており、この時期のロック・シーンの主要人物の一人として扱われていたことがわかる。
その後も活動は続き、1976年にはParadise Records、1995年にはLeon Russell Recordsを立ち上げている。商業的な流れにそのまま乗るだけでなく、自分の名前で制作環境を作っていった。
2010年にはエルトン・ジョンとの共作アルバム『The Union』を発表した。この作品で再び広く注目され、長いキャリアの後半でも制作を続けていたことが確認できる。
受賞歴としては、ゴールド・アルバム6枚、グラミー賞2度受賞がある。2011年にはロックの殿堂とソングライターの殿堂の両方に選ばれている。
セッション・ミュージシャンとしての土台、ソングライターとしての実績、そして制作やツアーを動かす立場まで含めて見ると、Leon Russellはロックの現場を複数の角度から支えたアーティストとして整理できる。