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Mandré(マンドレ)は、キーボード奏者/プロデューサー/ソングライターとして活躍したMichael Andre Lewis(アンドレ・ルイス、1948年〜2012年)による覆面エレクトロニック/スペース・ファンク・プロジェクトだ。ファンク・バンドMaxaynの解散後、モータウン(Motown)とソロ契約を結んだルイスが打ち出した別人格であり、メタリックなマスクとヘルメットで素顔を隠した「宇宙からやってきた謎の男」というコンセプトで活動を展開した。
アンドレ・ルイスは1960年代末からセッション・ミュージシャンとして実績を重ね、フランク・ザッパやバディ・マイルス(代表曲「Them Changes」の共作・参加など)、ラベル、ジョニー・"ギター"・ワトソンらのレコーディングを支えた。その後、当時の妻でシンガーのマキシン・ルイスらとともにファンク/ソウル・バンドMaxaynを結成し、骨太なファンク作品を送り出した。
Maxaynの解散後、モータウンと契約したルイスは生演奏中心のファンクから大きく舵を切り、シンセサイザーや電子音を全面的にフィーチャーしたMandré名義での活動を開始する。当時のモータウンは「パーラメント(Parliament)よりもファンキー」という惹句でプロモーションを展開したが、レーベルの伝統的なソウル路線とは一線を画す、スペーシーなシンセ・ファンクやコズミック・ディスコ、先鋭的なジャズ・フュージョンを提示した。
1977年にモータウンからリリースされたファースト・アルバム『Mandré』は、クラブDJやレア・グルーヴのディガーの間でカルト的な人気を誇るコズミック・ディスコの金字塔「Solar Flight (Opus I)」をはじめ、「Keep Tryin'」「Third World Calling (Opus II)」などを収録した名盤だ。うねるファンクのベースラインにクラビネット、シンセサイザーのポリフォニックな響き、ヴォコーダーを通したスペーシーなボーカルが重なり合う独自のグルーヴを確立した。
続く『Mandré Two』(1978年)、『M3000』(1979年)でも最新鋭の電子楽器を貪欲に取り入れた近未来ファンクを追求。その後モータウンを離脱したルイスは、プロジェクトの権利を保持したまま自主レーベルから『Mandré 4』(1980年)を発表した。
Mandréのアイデンティティを決定づけたのは、音楽性のみならずその徹底した近未来ビジュアル演出にあった。アルバム・ジャケットやステージにおいて、ルイスは未来的なシルバーのヘルメットとロボット調のマスクで素顔を完全に覆い隠し、アフロフューチャリズムの思想とサイバー感覚が融合した特異な世界観を築き上げた。
当時としては先鋭的すぎたため爆発的なポップ・チャートの成功には至らなかったものの、ロボット覆面のヴィジュアルとエレクトロニック・ディスコの融合は、のちのダフト・パンク(Daft Punk)の先駆的青写真として語られる。さらに、ヘヴィなシンセ・ベースとメカニカルなリズム構造はデトロイト・テクノやエレクトロ・ファンクの重要なルーツとして位置づけられており、1970年代後半のブラック・ミュージックと電子音楽の交差点を象徴する存在として今なお高く評価されている。