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Mudhoneyは、1988年にアメリカ・ワシントン州シアトルで結成されたオルタナティブ・ロック・バンドだ。Green Riverの解散後、ボーカルのMark ArmとギターのSteve Turnerが中心になって始動した。メンバーには元MelvinsのMatt Lukin、Bundle Of HissのDan Petersが加わり、シアトルのローカルシーンから動き出した。
前身となるGreen Riverには、後にPearl Jamを結成するStone GossardとJeff Amentも在籍していたが、バンドは方向性の違いで解散した。その後、より生々しく、パンク寄りのサウンドを求めたArmとTurnerが新しいバンドとしてMudhoneyを立ち上げた。1988年1月1日に初リハーサルを行い、ここから活動が始まった。
バンド名は、Russ Meyer監督の映画タイトルから取られたものだという。メンバー自身がその映画を見たことはなく、劇場の看板で偶然目にして採用したと伝えられている。
同年、Mudhoneyは地元レーベルSub Popからデビュー・シングル「Touch Me I'm Sick」を発表した。Jack Endinoのプロデュースによるこの曲は、歪んだギターと荒々しいボーカルが前面に出た作りで、後にシアトルのグランジ・サウンドを代表する要素として広く知られるようになった。
このシングルはSub Popの中でも大きな反応を集め、Nirvanaが台頭する前には同レーベルで最も売れたアーティストだったとされる。Sonic Youthにも注目され、両者が互いの曲をカバーし合うスプリット・シングルまで作られている。
Mudhoneyの音楽は、オルタナティブ・ロックとグランジを軸にしている。初期から、パンクの勢いを持った演奏、ノイジーなギター、前に出たボーカルが特徴として語られてきた。Green River時代よりもさらに荒い方向へ振れたサウンドで、シアトルの初期グランジの流れを形作る一角になった。
一方で、Pearl Jamのように大規模な成功を収める路線ではなく、アンダーグラウンドな立ち位置を保ったまま活動を続けている。その点もMudhoneyの歴史を追ううえで重要な部分だ。
Mudhoneyは、1990年代初頭に広がったシアトル・グランジの文脈の中で語られることが多い。NirvanaやPearl Jamが世界的に知られるようになる前から活動していて、初期シーンの空気をそのまま持ち込んだバンドとして扱われている。
ただし、商業的な成功という面では同世代のバンドとは少し違う位置にいた。大きなヒットを連発するタイプではなく、ライブと作品を積み重ねながら、長く続いているバンドとして見られている。
Mudhoneyは、その後も活動を止めずにスタジオアルバムを11作残している。メンバーはSteve Turner、Dan Peters、Matt Lukin、Guy Maddison、Mark McLaughlinが知られている。ラインナップの変化はありつつも、バンドとしての継続性は保たれてきた。
Sub Popの公式アーティストページやバンド自身のサイト、SNS、Bandcampなどでも現在の活動を確認できる。長く続くグランジ・バンドとして、今も現役で動いているのがMudhoneyの大きな特徴だ。
Mudhoneyは、シアトルの初期グランジを語るときに外せないバンドだ。Green Riverの流れを引き継ぎながら、より荒い方向へ進んだサウンドで、今も独自の位置を保っている。