Synergy

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Synergy

Synergyとは

Synergyは、アメリカのシンセサイザー奏者ラリー・ファスト(Larry Fast)のソロ・プロジェクト名だ。1951年12月10日生まれで、ニュージャージー州リビングストン育ち。電子音楽、Experimental、Modern Classicalの領域で作品を発表してきた。

電子工学と音楽が交わるところから始まった活動

ラリー・ファストは、子どものころからラジオを組み立てて電子工作を覚えたとされている。ペンシルベニアのラファイエット大学では歴史を学びながら、ピアノとバイオリンの素養、さらにコンピューター・サイエンスを組み合わせ、簡単な電子音響装置を自作するようになった。本人は「音楽と電子工学、その2つが交わる場所が電子音楽だった」と語っている。市販のシンセサイザーを買えなかった時期には、機材を自作していた。

地元ラジオ局のインタビューをきっかけにイエスのリック・ウェイクマンと知り合い、ウェイクマン向けのカスタム・モジュールを作るなど、早い段階でプログレッシブ・ロック周辺の制作にも関わっていった。イエスのスタジオ作業にも参加している。

Synergy名義のデビューと初期作品

Synergyとしての最初のアルバムは、1975年の『Electronic Realizations for Rock Orchestra』だ。Jemレコード傘下のPassport Recordsから発売され、シンセサイザーと電子楽器のみで制作された。ファストは自作モジュールとムーグを組み合わせ、16トラックのアナログ録音やテープ・ディレイを使って仕上げたと振り返っている。

この作品はBillboard 200で66位を記録し、18週チャートインした。ジャケットには「…そして誰もギターを弾いていない」という記述があり、シンセサイザー不使用をうたったクイーンへの遊び心ある目配せとされる。「ギターなし」というコンセプトを推したのはPassportの社長マーティ・スコットだったという。のちの『Cords』(1978年)では「ついにギター…のようなもの」と書いて、ピート・ソーベルのギター・シンセサイザーに触れている。

初期のSynergy作品は、西洋クラシックの影響を受けた編曲とオリジナル曲を組み合わせた内容だった。その後はオリジナル中心になり、ロック寄りの要素や他の楽器も取り入れていく流れになる。

作品の広がり

1976年の『Sequencer』、1978年の『Cords』、1979年の『Games』、1981年の『Audion』などを発表している。1981年には、ランダム制御のコンピューター・プログラムで作られたアンビエント作品『Computer Experiments, Volume One』も出した。ほかに映画音楽の『The Jupiter Menace』(1982年)、『Metropolitan Suite』(1987年)、旧作を録り直した『Reconstructed Artifacts』(2003年)などがある。

『Audion』の収録曲は、ロブ・ハバードがコモドール64向けゲーム『Zoids』『Master of Magic』に使った音楽の下敷きになったとされている。

他アーティストとの仕事

ラリー・ファストはSynergy以外でも活動が多い。1970年代半ばにはレーベルを通じて紹介されたネクターから「君の電子音楽を自分たちの音楽に取り入れたい」と声がかかり、『Recycled』(1975年)の制作に加わって、ツアーにも同行した。ピーター・ゲイブリエルとは1976年から1986年まで、レコーディングとツアーでシンセサイザーを担当し、制作チームの一員でもあった。ゲイブリエルのライブ・バンドについては、本人が「最も楽しい現役バンドのひとつ」と呼び、「本当に楽しめた良い状況だった」と振り返っている。

そのほか、ルネッサンスのアニー・ハズラムのソロ作のプロデュース、トニー・レヴィン・バンドでのツアーや録音(ライブ盤『Double Espresso』など)にも関わっている。

音楽的特徴

Synergyの名前で出ている作品は、シンセサイザー主体の構成が基本だ。初期はクラシック音楽の素材や編曲の要素が入り、その後はオリジナル曲とロックの要素が強まっていく。『Computer Experiments』では、コンピューター制御によるアンビエント的な処理も試している。

ラリー・ファスト自身は、1975年以来、Synergyを電子音楽とその技術、そして創造的な使い方を探る場として続けてきたと述べている。

音楽以外の活動

ファストは、聴覚障害者のための聴取装置の開発にも関わっている。赤外線による音声伝送の特許も持っている。

ジャンル・スタイル

Electronic Experimental Modern Classical
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