Vinyl Record Reviews
Tamiko Jonesは、1943年7月15日生まれのアメリカのシンガーで、Funk / Soulを軸に活動してきたアーティストだ。ウエストバージニア州のKyleの出身で、1962年にデトロイトのFlame Barで歌い始めた。その後、1964年にはJohnny Carsonの番組に出演し、早い段階から広く知られる存在になっていく。
1960年代のTamiko Jonesは、複数のレーベルで録音を重ねながらキャリアを築いていった。1968年には、Creed TaylorのもとでA&M/CTIからアルバム『I'll Be Anything For You』を制作している。この制作の中でSolomon Burkeと出会い、同作に収録されたデュエット曲でも共演した。
この時期の活動では、ソウル・シンガーとしての立ち位置がはっきり見える。レーベルをまたいで録音を続け、当時のソウル・シーンの中で経験を積んでいった流れが確認できる。
『I'll Be Anything For You』のレコーディング直後、Jonesは重いポリオを発症し、1年半ほど療養生活を送ることになった。この期間も音楽から離れ切ったわけではなく、Solomon Burkeの婚約者兼マネージャーを務め、Burkeのシングル「Proud Mary」の共同プロデュースにも関わっている。
歌手活動の中断があっても、制作やマネジメントの側で現場に残っていた点は、彼女のキャリアを考えるうえで外せないところだ。
1970年には、Metromediaから『Tamiko Jones – In Muscle Shoals』を発表し、レコーディング活動に復帰した。ここからマッスル・ショールズのミュージシャンたちとの関係が続き、1975年の『Love Trip』にもつながっていく。
『Love Trip』収録の「Touch Me Baby」はBillboard Hot 100入りを果たしていて、これがキャリア最大のヒットとして扱われている。マッスル・ショールズ系の演奏陣との組み合わせが、彼女のシングル成功に結びついた形だ。
1970年代後半になると、Tamiko Jonesはダンス・ミュージックとの相性も見せていく。「Let It Flow」(1976年)や「Can't Live Without Your Love」(1979年)では、ディスコ寄りの楽曲でも存在感を残している。
この時期の作品は、ソウルを土台にしながら、当時のダンス・シーンに合わせて活動の幅を広げていた流れとして見ておくとわかりやすい。
1986年にはMarvin Gayeの「I Want You」をカバーしている。原曲の持つ感触を保ちながら歌っている点が確認でき、80年代半ばまでレコーディングを続けていたこともわかる。
また、1980年代後半にはラジオ局の運営にも関わり、元Grammy Foundationの理事も務めていた。歌手としての活動だけでなく、音楽業界の運営面にも関わっていた人物だ。