Fine Young Cannibals - Fine Young Cannibals (1985)
Fine Young Cannibals 1985

Fine Young Cannibals - Fine Young Cannibals (1985)

Electronic Pop Funk / Soul Synth-pop Soul Vocal

Fine Young Cannibals『Fine Young Cannibals』

Fine Young Cannibalsの1作目『Fine Young Cannibals』は、1985年にUKのLondon Recordsから出たデビュー・アルバム。The Beat解散後、Andy CoxとDavid Steeleがバーミンガムで始めた新しいバンドに、AkrylykzにいたRoland Giftが加わって形になった作品である。2人は8か月ほどかけて500本を超えるデモ・テープからシンガーを探し、Giftを選んだ。バンド名は、1960年の映画『All the Fine Young Cannibals』から取られている。

制作背景・エピソード

出発点になった「Johnny Come Home」は、家出した若者を追ったテレビ・ドキュメンタリーから着想を得た曲。デモはロンドン・カムデンのThe Sound Suiteで、午後のうちに録られたという。Andy Coxは「バーミンガムから出てきて、午後にやった」と語っており、トランペットは後から加えられた。ほぼすべてのレーベルに断られたあと、『The Tube』でビデオが流れたことでたちまち契約の申し出が集まった。

その後、London RecordsはFrankie Goes to Hollywoodの編曲で知られるAnne Dudleyとの録り直しを提案したが、うまくいかず、時間と費用をかけた末にその案はお蔵入りになった。結果としてシングルは元のデモのまま発表されている。アルバム本体は1985年、北ロンドン・ウィルズデンのPower Plantなどで、プロデューサーRobin Millarと録音された。録音とミックスは、イタリアのテレビ番組出演をはさみながら4週間ほどで終わっている。

バンドは、磨き上げるよりも良いテイクをつかむことを重視し、最初の数テイクを採用することも多かった。リミックスはあまり行わず、エフェクトを重ねることも避けたという。機材も最小限で、ギター2本、スタインウェイのピアノ、ハモンド・オルガン程度。アンプを通さずDIで録る場面もあり、David Steeleは使うエフェクトとしてリヴァーブ程度を挙げている。

収録曲では、Elvis Presleyの「Suspicious Minds」のカバーにJimmy Somervilleがバック・ヴォーカルで参加している。シングル「Blue」は、LPとカセットではより商業的にするためにパーカッションを足し、トランペットとホーンを外したリミックス版が使われた。オリジナル・ミックスは、2020年の再発で「Blue (Dance Version)」として初めて公に出た。

時代の文脈

このアルバムは1985年12月9日に、イギリスではLondon、アメリカではI.R.S.から発売された。デビュー曲「Johnny Come Home」は全英8位、「Suspicious Minds」も英国でヒットし、両曲はヨーロッパ、カナダ、オーストラリアでもトップ40に入った。一方で、2枚目のシングル「Blue」は全英41位にとどまっている。

アルバム自体はオーストラリア2位、全英11位、全米Billboard 200で49位を記録した。のちの『The Raw & the Cooked』(1989年)が英米アルバム・チャートの首位に立ち、「She Drives Me Crazy」と「Good Thing」が全米1位になっている。本作は2011年にRhinoのデラックス・エディションとして、2020年にも再発されている。

後世への影響

「Johnny Come Home」は近年、アンドリュー・ヘイ監督の映画『異人たち(All of Us Strangers)』にも使われた。再評価の面では、AllMusicのStewart Masonが「力強く満足のいくデビュー作」とし、収録曲を「どれも粒ぞろい」と評している。Rolling StoneのMark ColemanはRoland Giftのヴォーカルの「さりげない威厳」に触れ、UncutのNigel Williamsonは「フックとヒット曲を満載した、巧みなソウル・ポップの調合」と書いている。Classic PopのJohn Earlsは、彼らを「インディ好きの若者さえ愛するソウル・バンド」と呼んだ。

トラックリスト

  1. A1 Johnny Come Home 3:35
  2. A2 Couldn't Care More 3:30
  3. A3 Don't Ask Me To Choose 3:05
  4. A4 Funny How Love Is 3:28
  5. A5 Suspicious Minds 3:56
  6. B6 Blue 3:31
  7. B7 Move To Work 3:26
  8. B8 On A Promise 3:06
  9. B9 Time Isn't Kind 3:12
  10. B10 Like A Stranger 3:28

動画プレイリスト

公開: 2026年10月
Share
戻る

あわせて聴きたい "Synth-pop"

toast