Level 42 - Level 42 (1981)
Level 42 1981

Level 42 - Level 42 (1981)

Funk / Soul Jazz-Funk

Level 42『Level 42』(1981)

Level 42のデビュー作『Level 42』は、1981年にUKのPolydorから出たアルバムで、のちに大きく伸びていくバンドの出発点にあたる作品だ。バンドはワイト島出身で、当時の英国ロックやファンクの流れの中でも、演奏の精度とリズムの強さを前面に出した存在として登場した。ここで聴けるのは、のちの代表曲群に通じるタイトなベース、切れのあるギター、ジャズ寄りのコード感が早い段階で形になっているところ。派手なヒット作というより、バンドの輪郭を最初に示した一枚という位置づけが分かりやすい。

録音はVineyardとChipping Norton Studios、追加のオーバーダブはRAK Studios、ミックスはRed Bus Studiosで行われている。UK盤にはカスタム印刷の内袋が付属し、バンド写真とクレジットが載る仕様。さらにこのプレスでは裏面にカセットのカタログ番号も記載されており、同じUKプレスでも袖にそれがない別ヴァージョンが存在する。レーベルはPolydorのPOLS 1036で、1981年のUKオリジナル盤らしい時代感がある。

バンドの初期像がはっきり出る一枚

Level 42というと、後年はポップ寄りの洗練されたサウンドで知られるが、この初期作ではまずリズム隊の強さが目立つ。Mark Kingのベースは、単なる低音の支えではなく、フレーズそのものが曲を引っぱる役割を持っている。そこにジャズ・ファンク的な細かいキメや、演奏の間合いを詰めたアンサンブルが重なるため、曲ごとの推進力がかなり明確だ。スタジオ録音でありながら、演奏の熱量が残る作りになっている点も耳に残る。

同時代の英国ジャズ・ファンクやフュージョン周辺と比べると、Level 42はよりロックのフォーマットに近い場所で機能している印象がある。ブラスを主役にしたファンクバンドとは違い、ギターとベース、鍵盤の噛み合わせで押していくタイプで、後のヒット期よりもバンドの素地が見えやすい。The Policeのようなニューウェーブ期のタイトさとも少し重なるが、こちらはより演奏面の情報量が多い。

注目曲「Turn It On」

この時期の代表曲としてまず挙げやすいのが「Turn It On」だ。タイトル通り、立ち上がりの勢いがはっきりしていて、ベースの細かな動きとリズムの噛み合わせで曲を前に進める。サビで大きく開くというより、リフとグルーヴを軸に押し切る作りで、Level 42の初期像をそのまま示すような1曲。派手な装飾よりも、演奏の精度で聴かせるタイプの楽曲として印象に残る。

この曲では、後年の洗練されたポップ・ファンクへ向かう前段階として、まだやや硬質な手触りも感じられる。とはいえ、単に硬いわけではなく、音の隙間の使い方がきれいで、各パートがぶつからずに流れていく。Level 42が初期から持っていた「複雑さを整理して聴かせる」感覚が、すでに見えている。

注目曲「Starchild」

「Starchild」は、ファンク色とメロディのバランスが取りやすい曲として聴きやすい。ベース主体の推進力は維持しつつ、曲全体の輪郭が少し柔らかく、アルバムの中でも入り口になりやすい。リズムの切り方やフレーズの置き方に、のちのLevel 42らしい整った感覚がある一方で、初期ならではの勢いも残っている。

この曲を聴くと、Level 42が単に技巧派として始まったのではなく、ダンス性と楽曲性を同時に探っていたことが分かる。ジャズ・ファンクの文脈で語られることが多いバンドだが、ここではまだその輪郭を固めている途中という印象もある。完成度の高さと試行錯誤の両方が同居しているのが、このデビュー作らしいところだ。

作品の位置づけ

『Level 42』は、のちに『The Pursuit of Accidents』や『Standing in the Light』以降で広く知られることになるバンドの基礎を作った作品として見やすい。大きな商業的成功の前段階にあるため、後年のヒット曲中心のイメージだけでは拾いにくい、初期のバンド・サウンドがまとまっている。Mark Kingのベース主導の組み立て、鍵盤とギターの整理された絡み方、そしてジャズ・ファンク由来の緊張感が、すでにこの時点でかなり明瞭だ。

1981年のUKリリースということもあり、ニューウェーブやポストパンクが広がる時代の中で、演奏力を軸に独自の立ち位置を取っていたことがうかがえる。Level 42の入口としてはもちろん、1980年代前半の英国ファンク/ジャズ・ファンクの空気を知るうえでも、押さえておきたい一枚と言えるだろう。

トラックリスト

  1. A1 Turn It On
  2. A2 "43"
  3. A3 Why Are You Leaving
  4. A4 Almost There
  5. B1 Heathrow
  6. B2 Love Games
  7. B3 Dune Tune
  8. B4 Starchild

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