Lizzy Mercier Descloux - Mambo Nassau (1981)
Lizzy Mercier Descloux 1981

Lizzy Mercier Descloux - Mambo Nassau (1981)

Rock Pop Funk / Soul Funk No Wave

Lizzy Mercier Descloux『Mambo Nassau』

リジー・メルシエ・デクルーの2作目『Mambo Nassau』は、1981年にZE Recordsから発表された作品で、この盤はフランスのPhilips盤。パリ出身の彼女が、ニューヨークのノー・ウェイヴやZE Recordsの周辺を経て、バハマのナッソーにあるCompass Point Studiosで録音した。

制作背景・エピソード

デクルーは10代でパリに戻った後、レコード店Harry Coverを営んでいたジャーナリストのMichel Estebanと出会い、公私のパートナーになった。1975年の初めてのニューヨーク滞在ではパティ・スミスの家に身を寄せ、リチャード・ヘルと親しくなってCBGBにも通ったという。1977年にニューヨークへ移り、Estebanが1978年に共同設立したZE Recordsは、ノー・ウェイヴやミュータント・ディスコの拠点となった。デビュー作『Press Color』(1979)は米国では流通が弱かったものの欧州では好評で、Island RecordsのChris Blackwellが後ろ盾になった。

『Mambo Nassau』の録音は、Chris BlackwellのCompass Point Studiosで行われた。Estebanは「マンハッタンを出て、アフリカの方へ向かいたかった」と語っている。隣のスタジオではグレイス・ジョーンズやトム・トム・クラブも録音していた。新たな協力者として加わったのが、シンセサイザー奏者のWally Badarouと、ジャマイカ出身のエンジニアSteve Stanley。Stanleyはトム・トム・クラブのデビュー作の共同プロデュースや、トーキング・ヘッズ「Once in a Lifetime」の基本トラック録音でも知られ、本作ではLight in the Atticの紹介で事実上のプロデューサーとされている。クレジット上はデクルーとStanleyの共同プロデュースで、PopMattersは「Room Mate」でのBadarouの演奏がほぼ即興だったと伝えている。

演奏陣にはYann Le Ker(ギター)、Philippe Le Mongne(ベース)、Bill Pery(ドラム)、Gregory Zercinsky(パーカッション)が参加。曲目にはクール&ザ・ギャング「Funky Stuff」のカバーや、ニーノ・ロータ作をBadarouが編曲した「Milk Sheik」も含まれる。

時代の文脈

このアルバムは、前作のポストパンク的な色合いに、アフロビートやダブ、カリブ海やアフリカのリズムを加えた作品として語られている。PopMattersのMatthew Fianderは「奇妙だがクセになるレコード」と評し、あちこちに「擦り切れた縁」が見える一方で、『Press Color』の「反抗的で唯一無二のエネルギー」を保っていると書いた。さらに「Sports Spootnicks」や「Funky Stuff」にはディスコの影、「Slipped Disc」にはレゲエとパンクを逆さにしたような味わい、「Room Mate」にはカリブ海の影響があるとしている。

本作は米国では大きく売れなかったが、CBSフランスとの契約につながった。デクルーはCBSの支援でアフリカを南下し、南アフリカのソウェトで現地の音楽家と録音した次作『Lizzy Mercier Descloux』(1984、のちに『Zulu Rock』として再発)へ進む。そこで「Mais où sont passées les gazelles ?」がフランスで予想外のヒットになった。『Mambo Nassau』に入っている「Payola」は、PopMattersによれば次作のアフリカ音楽への接続を先取りする曲としても見られている。

後世への動き

2003年にはZE Recordsがボーナス・トラック付きで本作を再発し、2016年2月にはLight in the Atticが本作を含む後期4作を再発した。ライナーノーツはVivien Goldmanが担当し、制作関係者へのインタビューも収録された。2016年盤には、南アフリカでの録音契約を得るために作られたというボーナス曲「Mister Soweto」「Corpo Molli Pau Duro」、そしてボブ・マーリー「Sun Is Shining」のカバーも加わっている。Estebanは「僕らは一度も商業的だったことはない」と振り返っている。デクルーは2004年に47歳で亡くなっている。

このPhilipsのフランス盤には白黒刷りのインナー・スリーヴが付き、黒い面にクレジットと歌詞、白い面にアーティスト写真が印刷されている。

トラックリスト

  1. A1 Lady O K'Pele 2:24
  2. A2 Room Mate 3:37
  3. A3 Sports Spootnicks 4:20
  4. A4 Payola 4:19
  5. A5 Milk Sheik 0:45
  6. B1 Funky Stuff 4:05
  7. B2 Slipped Disc 3:35
  8. B3 It's You Sort Of You 2:14
  9. B4 Bim Bam Boom 3:05
  10. B5 Five Troubles Mambo 2:12

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

Lizzy Mercier Descloux

Lizzy Mercier Descloux

Lizzy Mercier Desclouxは、1956年12月16日にフランス・パリで生まれたシンガー、ミュージシャン、作家、画家だ。2004年4月20日にフランス・コルシカ...

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