Sheila E. - In The Glamorous Life (1984)
Sheila E.『In The Glamorous Life』
1984年にWarner Bros. Recordsから出た、シーラ・Eの鮮烈なソロ・デビュー作。カタログ番号は1-25107で、背表紙には9 25107-1と表記されている。ティファニー・ブルーのインナー・スリーブ付きで、ランアウトはエッチング仕様。タイトル曲「The Glamorous Life」を軸に、プリンスの全面プロデュースと楽曲提供が前面に出た、ミネアポリス・サウンドの金字塔である。
制作背景・エピソード
本作は、映画『パープル・レイン』の世界的成功前夜にあったプリンスが、シーラ・Eの才能に惚れ込み、変名「The Starr ★ Company」を用いて手掛けた作品。レコーディングはハリウッドのサンセット・サウンドを中心に行われ、短期間の濃密なセッションで完成された。ラテン・パーカッションの巨匠ピート・エスコヴェードを父に持ち、凄腕パーカッショニストとして活躍していたシーラ・Eの情熱的なティンバレスと華やかなヴォーカルが全編を牽引している。プリンス自身のガイド・ヴォーカル版は、のちに2019年の未発表音源集『Originals』に収録された。
時代の文脈
1984年の音楽シーンを席巻したミネアポリス・サウンドの象徴的な一枚。リンドラムを駆使したタイトなエレクトリック・ファンクに、シーラ・Eのラテン・パーカッションが躍動感を与え、キャッチーなシンセ・ポップの要素が見事に調和している。プリンス・ファミリーの作品群の中でも、彼女の卓越したミュージシャンシップが前面に打ち出され、強い自立心とセクシャリティを兼ね備えた女性アーティストの新たなアイコン像を確立した。
9分近くに及ぶアルバム版「The Glamorous Life」の後半でラリー・ウィリアムズのサックスとシーラ・Eのティンバレス・ソロが激突するクライマックスは圧巻。「Noon Rendezvous」の物憂げなメロウ・バラードや、「The Belle Of St. Mark」の煌びやかなポップネスなど、プリンスの天才的プロダクションとシーラ・Eの熱量が完璧な火花を散らしている。
後世への影響
タイトル曲「The Glamorous Life」は米Billboard Hot 100で7位、ダンス・チャートで1位を記録。グラミー賞で最優秀新人賞と最優秀R&B楽曲賞にノミネートされた。続く「The Belle Of St. Mark」も全米34位・全英18位のヒットを記録し、アルバムは米Billboard 200で28位、R&Bチャートで7位に入り、RIAAゴールド認定を獲得した。
本作の成功によってシーラ・Eは世界的トップスターの座を確立し、次作での大ヒット曲「A Love Bizarre」や、プリンスの伝説的な『Sign "O" the Times』『Lovesexy』期におけるバンドリーダー/ドラマー就任へと直結していった。
トラックリスト
- A1 The Belle Of St. Mark 5:08
- A2 Shortberry Strawcake 4:44
- A3 Noon Rendezvous 3:50
- B1 Oliver's House 6:20
- B2 Next Time Wipe The Lipstick Off Your Collar 3:50
- B3 The Glamorous Life 8:58