The Time - Ice Cream Castle (1984)
The Time 1984

The Time - Ice Cream Castle (1984)

Electronic Funk / Soul Funk Minneapolis Sound

The Time『Ice Cream Castle』

The Timeの3作目『Ice Cream Castle』は、1984年にWarner Bros. Recordsから出たアルバムで、発売は7月2日。前2作と同じく、プロデュースとアレンジはPrinceが「The Starr ★ Company」名義で担当し、Morris Dayも共同プロデューサーに名を連ねる。収録は全6曲で、「Jungle Love」「The Bird」「Ice Cream Castles」といったシングルを含む構成。

制作背景・エピソード

制作期のバンドは大きく入れ替わっていた。1983年、Jimmy JamとTerry Lewisはアトランタで吹雪に足止めされ、サンアントニオ公演に間に合わなかった。その夜はJerome Bentonがベースを弾くふりをし、Jamの代わりにLisa Colemanが入った。2人は罰金を科されたうえで解雇された(Princeは後に「ジミーとテリーを首にしたのは自分ではない」と、Dayの意向だったと語っている)。Monte Moirも離脱し、キーボードにはMark CardenasとPaul Peterson、ベースにはRocky Harris(のちのJerry Hubbard)が加わった。Princeには契約上、アーティストを集めてプロデュースする権限があり、メンバーは自分たちの名前が付いたアルバムから締め出され、報酬も少ないと感じていた。

録音は1983年3月下旬、ハリウッドのSunset Soundで「Jungle Love」から始まった。Albumismによれば、この曲はJesse Johnsonが書いた素材をPrinceが広げ、歌詞と新しいメロディを加えたもので、Johnsonのギター以外はPrinceが演奏した。もっとも、Johnsonは後年、Princeの関与の度合いについて異なる見方も示している。

「The Bird」は1983年初めにスタジオで録られたが、実際に使われたのは同年10月初め、ミネアポリスのFirst Avenueで録音されたライヴ・テイクだった。Albumismによると、この曲でようやくバンド全員の演奏が聴けるという。表題曲「Ice Cream Castles」は、DayとJohnsonがミネアポリスで作っていた「Old & Ignorant」が元になっており、1984年1月に2人がロサンゼルスでPrinceに聴かせると、Johnsonによれば、Princeは「1拍目じゃなく裏でベースを弾いてるのがすごくクールだ」と言ったという。Princeは曲を録り直して歌詞を書き換え、敬愛するJoni Mitchellの「Both Sides, Now」(1969)の一節「ice cream castles」を借りて、異人種間の恋愛の比喩にした。アルバム最後のこの曲は、1984年1月13日にSunset Soundで録音された。

ほかに「Chili Sauce」ではDayが『パープル・レイン』のキャラクターのまま語りを担当し、「My Drawers」ではDayがドラムを叩き、Jesse Johnsonがギター・ソロを弾いている。

時代の文脈

このアルバムの勢いを押し上げたのは、同じ1984年に公開されたPrince主演映画『パープル・レイン』だった。映画の中でThe TimeはPrinceのバンドとファースト・アヴェニューの観客を奪い合うライバルとして登場し、「Jungle Love」と「The Bird」を演奏する。Dayの演技がアルバムをチャート上位へ、さらにクロスオーバーの聴衆へと広げたとされる一方、映画の公開時点ではバンドはすでに解散状態に近かった。

1985年にはDayがPrinceとの対立から脱退してソロへ進み、Jesse JohnsonもCardenasとHubbardを連れてソロ活動へ。Jerome Benton、Jellybean Johnson、Paul PetersonはPrinceの新しいプロジェクト、The Familyへ移った。解雇されたJam & Lewisは、その後1980〜90年代を代表するソングライター/プロデューサー・チームになっていく。

後世への影響

2019年にはPrinceの遺産管理団体が『Originals』を発表し、Princeが他のアーティストに提供した曲の自演デモがまとまって公開されたことで、The Timeの曲をどれだけ書き、演奏していたかが改めて注目された。Albumismの40周年記事では、それでも本作は「今も聴いて楽しい」と結ばれている。

数字面では、『Ice Cream Castle』はBillboard 200で24位、R&Bアルバム・チャートで3位、57週チャートインし、RIAAプラチナ認定を受けた。「Jungle Love」はHot 100で20位、「The Bird」は36位、「Ice Cream Castles」はR&Bで11位を記録している。

なお、このUS盤はAlliedがプレスした版で、ランアウトにはAlliedの「ɑ」ロゴが確認できる。カスタムの黒いインナースリーブ付きで、マスタリングはBernie Grundman Mastering。

トラックリスト

  1. A1 Ice Cream Castles 7:33
  2. A2 My Drawers 4:04
  3. A3 Chili Sauce 5:45
  4. B1 Jungle Love 5:29
  5. B2 If The Kid Can't Make You Come 7:33
  6. B3 The Bird 7:40

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

The Time

The Time

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