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Bow Wow Wowは、1980年にイギリス・ロンドンで結成されたニュー・ウェイヴ/ポストパンク・バンドだ。セックス・ピストルズ解散後のマルコム・マクラーレンが仕掛け人となり、アダム&ジ・アンツの演奏陣を軸にして始動した。ボーカルには、当時13〜14歳だったアナベラ・ルーウィンが起用された。
バンドの出発点には、マクラーレンのプロデュース感覚が強く関わっている。アダム&ジ・アンツのメンバーだったリー・ゴーマン、マシュー・アッシュマン、デイヴ・バルバロッサが中心となり、そこへアナベラ・ルーウィンが加わって形になった。初期にはボーイ・ジョージが「Lieutenant Lush」の名義で一時的に関わった記録もある。
Bow Wow Wowの音でまず目立つのは、ブルンディ・ビートを取り入れたドラムだ。デイヴ・バルバロッサのタムを多用したパターンが前に出て、そこへマシュー・アッシュマンのサーフ・ロックやロカビリー寄りのギター、リー・ゴーマンのベースが重なる。アナベラの歌は、シャウトやチャントのように聞こえる場面が多く、通常のポップ・ボーカルとは少し違う入り方をしている。
ロック、ポップ、ニュー・ウェイヴの要素を持ちながら、演奏の組み立てはかなり打楽器中心だ。パンク以後のバンドとしては珍しく、アフリカ系リズムの感覚を前面に出したグループとして扱われることが多い。
1980年にはカセット限定のミニ・アルバム『Your Cassette Pet』で登場した。続く1981年の1stフル・アルバム『See Jungle! See Jungle! Go Join Your Gang Yeah, City All Over! Go Ape Crazy!』では、「Go Wild in the Country」が全英7位を記録している。ジャケットをめぐっては、未成年だったアナベラのヌード写真が使われたことで批判が集まり、差し替えや発禁の話題も起きた。
1982年の「I Want Candy」は、ストランジラヴズの1965年の曲をカヴァーしたシングルで、全英9位を記録し、アメリカでもチャート入りした。MTVでの露出もあり、バンドの代表曲として知られている。
1983年には2ndアルバム『When the Going Gets Tough, the Tough Get Going』を発表したが、内部対立が深まり、1984年に解散した。その後、アナベラはソロ活動へ進み、残るメンバーはChiefs of Reliefを結成した。1990年代半ばには、Bow Wow Wowが何らかの形で再結成された時期もある。
Bow Wow Wowは音楽だけでなく、プロモーションでも注目を集めた。世界初のカセット・シングルとされる「C·30 C·60 C·90 Go」を出し、海賊版やホーム・テーピングを肯定するキャンペーンも展開している。こうした動きは、マクラーレンのメディア戦略と結びついて語られることが多い。
Bow Wow Wowは、アフリカのポリリズムをポップやニュー・ウェイヴに持ち込んだ先駆的なグループとして参照されている。80年代初頭のワールド・ビートやジャングル・ポップの流れを考えるとき、名前が挙がりやすいバンドだ。
また、デイヴ・バルバロッサのドラミングは、後年のインディー・ロックやダンス・パンク、マッドチェスター周辺のバンドにも影響を与えたとされる。「I Want Candy」はカヴァーや映像作品、CMなどで繰り返し使われ、今も耳にする機会がある。