Ideal

Vinyl Record Reviews

Ideal

Idealとは

Idealは、1980年春にベルリンで結成されたドイツのニューウェイヴ・バンドだ。ジャンル表記ではElectronic、Rock、スタイルではNew Wave、Post-Punk、NDW(Neue Deutsche Welle)に位置づけられている。メンバーはAnnette Humpe、Ernst Deuker、Hans Behrendt、Frank-Jürgen Krügerの4人で、中心人物はアネッテ・フンペだった。

結成と初期の動き

アネッテ・フンペは、ベルリン芸術大学に在学中、妹のインガ・フンペと組んだNeonbabiesで活動を始めている。その並行作業として、1980年春にErnst Deuker、Hans Behrendt、Frank-Jürgen KrügerらとIdealを結成した。ベルリンという土地柄もあって、当時のニューウェイヴやポストパンクの空気を受けながら、バンドは短期間で注目を集めていく。

自主制作シングルからヒットへ

最初の自主制作7インチ「Wir steh'n auf Berlin」は、後に単に「Berlin」として知られるようになり、すぐに完売するヒットになった。その後、Idealはクラウス・シュルツェ主宰のレーベル、Innovative Communicationと契約している。ベルリン・スクール系のシンセサイザー音楽を主軸にしたレーベルに、パンク/ニューウェイヴ色の強いIdealが入った形になる。

ただし、クラウス・シュルツェ本人が制作に深く関わったわけではなく、実際の制作はクラウス・D・ミュラーが担った。デビュー作は45回転仕様でプレスされ、音質面で有利とされる形で発売されている。

代表曲とアルバムの実績

Idealはシングルでも成果を出していて、「Blaue Augen」「Eiszeit」「Monotonie」「Keine Heimat」などがチャート入りしている。「Blaue Augen」は、もともとNeonbabies時代にフンペが書いた曲を再構築したもので、結果的にIdealの代表曲、そして最大のヒットになった。

ファースト・アルバムはドイツのアルバムチャートで3位を記録し、インディーズ・リリースとしてはドイツ初のゴールドディスクを獲得した。自主制作から始まったバンドが、インディペンデント作品として大きな商業的成果を残した点は、当時のドイツ音楽シーンでも目立つ出来事だった。

音楽的な特徴

Idealの音は、ニューウェイヴやポストパンクの要素を軸にしつつ、NDWの流れの中で受け止められている。シンセサイザーの使い方は、同時代のベルリン・スクール系レーベルにいたこともあって耳に残るが、バンドの表面にはパンク寄りの勢いもある。電子的な音とバンド編成のロック感が並んでいるところが、Idealの分かりやすい特徴だ。

歌詞やサウンドの面では、都市名をそのまま曲名にした「Berlin」をはじめ、当時の西ドイツの空気感と結びついた楽曲が多い。派手な装飾より、曲そのものの輪郭が前に出るタイプのバンドとして整理できる。

解散までの流れ

Idealは3作目『Bi Nuu』の後、賛否両論の反応とツアー中止を受けて、1983年3月に解散を発表した。活動期間は長くないが、デビューから解散までの数年で、ドイツのニューウェイヴ/NDWを代表するグループとして名前が残ることになった。

アネッテ・フンペのその後

Ideal解散後も、アネッテ・フンペは音楽制作の現場で活動を続けている。ネーナ、リオ・ライザー、ウド・リンデンベルク、ディー・プリンツェンらの作品に関わり、プロデューサー/ソングライターとして実績を積んだ。2004年からはアーデル・タヴィルとのユニットIch+Ichでも成功を収めている。

Idealは短い活動期間ながら、アネッテ・フンペのキャリアの出発点としても重要な存在だ。ベルリン発のニューウェイヴ、NDW、ポストパンクの流れを知るうえで、外せないバンドのひとつになっている。

参考にした主な情報

  • Wikipedia: Ideal (German band)
  • mikiwiki.org: Ideal/Biografie
  • ichwillspass.de: Ideal

ジャンル・スタイル

Electronic Rock NDW New Wave Post-Punk
toast