Vinyl Record Reviews
Go West(ゴー・ウエスト)は、1982年に結成されたイギリスのポップ/ブルー・アイド・ソウル・デュオ。力強くソウルフルなハスキー・ボイスを誇るリード・ヴォーカリストのピーター・コックス(Peter Cox)と、ギタリスト/キーボーディストのリチャード・ドラミー(Richard Drummie)によって結成された。アメリカのソウル/R&Bへの強い憧憬を込めて「Go West」と名乗り、1980年代半ばから90年代にかけて数々の世界的ヒットを放った。
クリサリス(Chrysalis)と契約した彼らは、1985年にシングル「We Close Our Eyes」で鮮烈なデビューを飾る。元10ccのゴドレイ&クレームが監督した前衛的なミュージック・ビデオの後押しもあり、全英シングル・チャート5位を記録し、全米のダンス/クラブ・チャートでも大きな注目を集めた。
続く「Call Me」や「Don't Look Down」も立て続けにヒットし、同年のデビュー・アルバム『Go West』は全英チャートに実に83週にわたって留まるロングセラーを記録、全世界で150万枚以上を売り上げた。その目覚ましい活躍により、1986年のBRIT Awardsで「最優秀英国新人賞(Best British Newcomer)」を受賞し、一躍80年代英国ポップ・シーンのトップランナーへと登りつめた。
2ndアルバム『Dancing on the Couch』(1987年)を経て、1990年に彼らはキャリア最大の世界的ブレイクを果たす。ジュリア・ロバーツとリチャード・ギア主演の大ヒット映画『プリティ・ウーマン(Pretty Woman)』のサウンドトラックに提供した軽快なポップ・アンセム「King of Wishful Thinking」が、全米ビルボードHot 100で8位を記録する特大ヒットとなった。
全世界で1000万枚以上を売り上げた同サントラの牽引役となり、全米のラジオ局で最もオンエアされた楽曲のひとつとしてASCAPアワードを受賞。彼らの名は世界中のポップ・ミュージック・ファンに深く刻まれた。
1992年には名曲「Faithful」(全米14位)を収録した3rdアルバム『Indian Summer』を発表。その後ピーター・コックスのソロ活動などを挟みつつも、デュオとしての結束を保ち続け、2000年代以降も新作の発表や精力的なワールド・ツアーを展開している。
モータウンやフィリー・ソウルの伝統に根ざしたピーター・コックスの情熱的な歌声と、リチャード・ドラミーによる洗練されたポップ・アレンジの融合は、1980〜90年代のブルー・アイド・ソウルにおける最高峰の完成度を誇るものとして、今なお世界中で愛され続けている。