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Dexys Midnight Runnersは、1978年にイングランドのバーミンガムで結成されたバンドだ。ケヴィン・ローランドを中心に始まり、ケヴィン・“アル”・アーチャーも初期メンバーとして名を連ねている。ジャンルはRock、Funk / Soulにまたがり、スタイルとしてはNew WaveとSoulの要素が強い。
バンド名は、ノーザン・ソウルのファンの間で使われていた覚醒剤デキセドリンに由来するとされている。メンバーの入れ替わりが多く、ローランドを軸に編成を変えながら活動してきた。
1980年のデビュー・アルバム『Searching for the Young Soul Rebels』で注目を集めた。この作品からは、ソウル歌手ジーノ・ワシントンに捧げた「Geno」が全英1位を記録している。アルバム自体も全英6位に入り、NMEの1980年年間ベストでは10位に選ばれた。
この時期のDexys Midnight Runnersは、ホーンを前面に出したソウル寄りのサウンドで知られている。ロックの編成にソウルのリズムや管楽器を組み合わせた形で、当時のUKポップの中でもはっきりした個性を持っていた。
1982年の2作目『Too-Rye-Ay』では、フィドルを大きく取り入れた。ヘレン・オハラが率いたヴァイオリン隊は「エメラルド・エクスプレス」と呼ばれている。ソウルやニューウェイヴに加えて、アイリッシュ/フォーク寄りの要素も見える構成だ。
このアルバムからの「Come On Eileen」は、英国と米国の両方でチャート1位を獲得した。1983年のブリット・アワードでは最優秀英国シングル賞も受賞している。バンドの代表曲として扱われることが多い。
1985年の『Don't Stand Me Down』では、曲の中に会話を取り入れるなど、構成面でかなり踏み込んだ試みが行われた。リリース当時の評価は分かれたとされる。前作までのヒット路線とは違う方向を示した作品として知られている。
バンドは1987年に解散した。ローランドはその後もソロ活動を続けているが、薬物依存などの困難も経験している。
その後は再始動し、2012年からは「Dexys」名義で活動した。2012年の『One Day I'm Going to Soar』、2016年のアイルランド/カントリー・ソウルのカヴァー集『Let the Record Show: Dexys Do Irish and Country Soul』、2023年の『The Feminine Divine』を発表している。2026年には再び「Dexys Midnight Runners」の名義に戻り、『Love』をリリースしている。
Dexys Midnight Runnersの特徴としてまず挙げやすいのは、ソウルの影響が濃いことだ。初期作ではホーン・セクションが中心に置かれ、ロックやニューウェイヴの感触と結びついている。加えて、『Too-Rye-Ay』以降はフィドルや弦楽器の存在感も強くなり、単純なロック・バンドの枠には収まりにくい編成になっている。
また、メンバーの入れ替わりが多いこともこのバンドの歴史を語るうえで重要だ。ケヴィン・ローランドの意向を軸に、時期ごとにサウンドの組み立て方が変わっている。
公式情報やディスコグラフィーには、多くのメンバーや参加者の名前が並ぶ。初期のケヴィン・ローランド、ケヴィン・“アル”・アーチャーをはじめ、ヘレン・オハラ、ジム・パターソン、ポール・スペア、ピート・ウィリアムズなど、時期ごとに重要な役割を持った人物がいる。近年の活動まで含めると、編成の変遷はかなり大きい。
Dexys Midnight Runnersは、UKロックの文脈にソウル、ホーン・アレンジ、フィドルを持ち込んだバンドとして見ておくと整理しやすい。ヒット曲だけでなく、作品ごとに編成や方向性を変えてきた点も、このグループを追う面白さのひとつだ。