Vinyl Record Reviews
Eighties Ladies(エイティーズ・レディース)は、ジャズ・ファンク/ヴィブラフォンの巨匠ロイ・エアーズ(Roy Ayers)がプロデュースを手掛けた、アメリカの女性5人組ソウル・ヴォーカル・グループ。1980年に発表した唯一のアルバム『Ladies of the Eighties』が、レア・グルーヴ、モダン・ソウル、ブギー・ファンク史に輝く不朽の大名盤として世界中でカルト的な人気を誇る。
メンバーは、Aquarian Dreamを経て後にソロ名作『Give Me Your Love』を残すシルヴィア・ストリップリン(Sylvia Striplin)をはじめ、後にソロ歌手やブロードウェイ女優として活躍するマーヴァ・ヒックス(Marva Hicks)、スーザン・ボービアン(Susan Beaubian)、ヴィヴィアン・プリンス(Vivian Prince)、デニー・コーベット(Denie Corbett)の実力派5名で構成されていた。
グループは、ロイ・エアーズが設立した伝説的インディ・レーベル「Uno Melodic Records」の看板プロジェクトとして始動した。1980年にリリースされた唯一のアルバム『Ladies of the Eighties』では、エアーズならではの軽やかなヴィブラフォンとファンキーなグルーヴ、盟友エドウィン・バーズソング(Edwin Birdsong)によるスペーシーなシンセサイザー・ワーク、そして5人の瑞々しく華やかなヴォーカル・ハーモニーが絶妙な調和を見せている。
アルバムは洗練されたアーバン・ブギーから極上のメロウ・ソウルまでが凝縮された傑作であり、80年代初頭のブラック・ミュージックの新たな潮流を鮮烈に提示した。
なかでもシルヴィア・ストリップリンがリード・ヴォーカルを務めたメロウ・ブギーの至宝「Turned On to You」は、A Tribe Called Quest「Butter (Remix)」をはじめ数多くのヒップホップ・アーティストにサンプリングされ、フロア・クラシックとして現在も世代を超えて愛され続けている。
さらに高揚感あふれるダンス・チューン「Tell Him」やタイトル曲「Ladies of the Eighties」など、全編捨て曲なしの完成度を誇る。活動期間はごくわずかだったものの、80sアーバン・ソウル/モダン・ブギーを象徴する奇跡的なグループとして今なお絶大なリスペクトを受けている。