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Exit 9は、1970年代半ばにニューヨーク/ニュージャージー周辺で結成された9人組のファンク/ソウル・バンドだ。録音当時のメンバー年齢はわずか16歳から20歳ほどで、極めて若い演奏者たちによるユース・グループとして知られている。
もともとは少人数編成のコンボ「Qualified Funk」としてファンク/ロックを演奏していたが、マネジメントにジョン・ジェンキンス(John Jenkins)とモデスト・クラーク(Modeste Clarke)が加わった後、強力なホーン・セクションを含む9人編成へと発展し、「Exit 9」へと改名した。バンド名はニュージャージー・ターンパイクのハイウェイ出口標識に由来する。
Exit 9は、名門ソウル・レーベルBrunswick Records傘下のBRCと契約を結び、1975年に唯一のスタジオ・アルバム『Straight Up』を発表した。シングル「Jive Man」などもリリースされたが、当時は十分なプロモーションに恵まれず大きな商業的成功には届かなかった。バンドはこの傑作1枚を残したのみで活動に幕を下ろすこととなった。
しかし、アルバム1枚のみで解散したグループでありながら、その凝縮された演奏力と楽曲のクオリティは、後年の音楽シーンに決定的な爪痕を残すこととなった。
『Straight Up』の最大の魅力は、10代とは思えない卓越したバンド・アンサンブルと熱量だ。タイトなリズム隊の推進力を軸に、切れ味鋭いブラス・セクション、小気味よいカッティング・ギター、うねるワウ・ギターが怒涛のグルーヴを紡ぎ出す。初期Kool & The GangやThe Fatback Bandに通じる生々しさを持ちながら、よりストリート直系の骨太なファンク・サウンドが前面に出ている。
収録曲では、爆発的なスピード感で畳み掛ける「Jive Man」、キャッチーなギター・リフとダンサブルなベースラインが炸裂するフロア・クラシック「Fly」、ダイナミックなホーンが前に出る「Miss Funky Fox」、ヘヴィな展開を見せる「M.F.B.」などキラーなアップテンポが並ぶ。さらに「Julie I Love You」や「Thoughts of You」のようなスウィートで洗練されたソウル・バラードまで見事に演奏し分ける表現力の広さも備えている。
Exit 9の『Straight Up』は、1980年代末以降のレア・グルーヴやクラブ・ジャズのムーヴメントの中で「ディープ・ファンク究極のメガレア盤(聖杯=Holy Grail)」として発掘され、熱狂的な再評価を獲得した。オリジナル盤LPは中古市場で高額取引されるコレクターズ・アイテムとなり、世界各国で幾度もリイシューが行われている。
ホーン・セクションの緻密なアレンジ、ダンスフロアを揺るがすブレイクビーツ、そして甘美なソウル・バラードまでを網羅した本作は、DJやビートメイカー、ファンク愛好家の間で現在も最高峰のマスターピースとして愛聴され続けている。