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Tumblack(チュンブラック)は、1979年にフランスの名門レーベルBarclayから唯一の同名アルバム『Tumblack』を発表した伝説的スタジオ・プロジェクトである。カリブ海フランス領グアドループの伝統的な打楽器音楽「グオッカ(Gwo Ka)」やアフロ・カリビアンのリズムを骨格に、当時の最先端シンセサイザー、ファンク、アフロビート、コズミック・ディスコを果敢に融合させた先駆的サウンドで、世界中のレアグルーヴ愛好家やクラブDJからカルト的な評価を獲得している。
本プロジェクトを構想・指揮したのは、フランスの先鋭的な電子音楽プロデューサー/作曲家のイヴ・アヤ(Yves Hayat)である。アヤはシンセサイザーのプログラミングと作編曲を一手に担い、伝統的なトライバル・ビートと電子的グルーヴの融合を追求した。また、世界的ファッションデザイナーのパコ・ラバンヌ(Paco Rabanne)が深く感銘を受け、資金援助や制作サポートを惜しみなく注ぎ込んだことでも知られる。
パリのトップクラスのスタジオ・ミュージシャンと、西インド諸島出身の実力派パーカッショニストが集結し、白熱のセッションが繰り広げられた。
1979年にリリースされた唯一のアルバム『Tumblack』は、土着的なパーカッションの乱れ打ちとエレクトロニック・サウンドの鮮烈なコントラストが際立つ。なかでも名曲「Caraïba」は、催眠的なポリリズムと祝祭感あふれるコーラス、グルーヴィーなクラビネットが疾走するアフロ・コズミック/ディスコの最高峰として名高い。DJハーヴィー(DJ Harvey)をはじめとする世界各国のトップDJたちにプレイされ続けており、「Invocation」や「Chunga Funk」といった楽曲もダンスフロアを熱狂させてきた。
作品を1枚残したのみでプロジェクトは幕を閉じたが、そのサウンドは後のフレンチ・カリビアン・ポップ「ズーク(Zouk)」の黎明を予見していただけでなく、フレンチ・タッチやトライバル・ハウスの先駆的なプロトタイプとしても歴史的価値を持つ。オリジナル盤は滅多に市場に出回らない屈指のコレクターズ・ピースとして尊ばれている。