Exit 9 - Straight Up (1975)
Exit 9『Straight Up』
1975年、米東海岸の若きファンク・グループExit 9が、名門Brunswick傘下のBRCレーベルから発表した唯一のアルバム『Straight Up』。前身バンド「Qualified Funk」時代にマネージャー兼プロデューサーのジョン・ジェンキンス(John Jenkins)とモデスト・クラーク(Modeste Clarke)に見出され、ニュージャージー・ターンパイクの出口番号に因んで「Exit 9」へと改名。若さあふれる爆発的なエネルギーと卓抜した演奏力を武器に録音された、レア・グルーヴ史に燦然と輝くマスターピースである。
制作背景と若きメンバーたちの躍動
特筆すべきは、メンバー9人の年齢が録音当時わずか16歳から20歳という若さだった点だ。コンボ編成からスタートした彼らは、タイトなホーン・セクションを増強してファンク/ロック・バンドとしての骨格を確立していった。
ジョン・ジェンキンスとモデスト・クラークのプロデュースのもと、10代ならではの怖いもの知らずのスピード感と、ストリートの熱気をそのままスタジオへ注ぎ込み、一気呵成にアルバムを完成させた。
時代の文脈
1975年の米国ファンク・シーンは、タワー・オブ・パワー、アース・ウインド&ファイアー、クール&ザ・ギャングらに代表される大規模なホーン・セクションを擁した大編成ファンク・バンドが全盛期を謳歌していた。そうした百花繚乱のシーンにおいて、ニュージャージー/ニューヨークのストリートから現れたExit 9は、トップ・グループに匹敵するアンサンブルの切れ味と荒削りな衝動を併せ持つ大型新人として、シカゴの名門Brunswickが満を持して送り出した。
サウンドと聴きどころ
全編これ「捨て曲なし」と絶賛される充実した内容が本作の最大の魅力だ。パーカッシブなドラム・ブレイクから華やかなホーンが雪崩れ込むオープニング「Jive Man」、切れ味鋭いカッティング・ギターと引き締まったベースが疾走するタイトル曲「Straight Up」、そして強烈なブレイクビーツを搭載した重量級ファンク「M.F.B.」など、冒頭から怒涛のグルーヴが炸裂する。
さらに、爽快なギター・カッティングと高揚感あふれるボーカルがフロアを最高潮へと導くキラー・チューン「Fly」は、フリー・ソウル/ダンス・クラシックの決定打として名高い。一方で「Julie I Love You」や「Thoughts Of You」といった甘美で瑞々しいスウィート・ソウルも収録され、若きバンドの懐の深さを見せつけている。
後世への影響
発売当時は大きなヒットに恵まれず、バンドは本作1枚を残して解散の憂き目に遭った。しかし1980年代末以降、ロンドンや東京を中心とするレア・グルーヴ、フリー・ソウル、ディープ・ファンクの再評価ムーブメントの中で奇跡的な脚光を浴びることになる。
『Rare Groove A to Z』をはじめとするディスクガイドでも最高峰の「聖杯(ホーリー・グレイル)」として君臨し、オリジナル盤は世界中のコレクター垂涎の的となった。数々のヒップホップ・プロデューサーによるサンプリングや幾度ものアナログ再発を通じて、70年代ファンクの奇跡の瞬間を刻んだ不滅のマスターピースとして愛され続けている。
トラックリスト
- A1 Jive Man 5:05
- A2 Straight Up 3:19
- A3 Julie I Love You 3:47
- A4 Fly 3:37
- B1 Miss Funky Fox 3:36
- B2 Thoughts Of You 5:09
- B3 I Love You! Love You Completely 3:04
- B4 Rhapsody In Funk 3:40
- B5 M.F.B. 4:08
動画プレイリスト
このアーティストについて
Exit 9は、1970年代半ばにニューヨーク/ニュージャージー周辺で結成された9人組のファンク/ソウル・バンドだ。録音当時のメンバー年齢はわずか16歳...
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