Redbone

Vinyl Record Reviews

Redbone

Redboneとは

Redbone(レッドボーン)は、1969年にロサンゼルスで結成されたアメリカのロック・バンドである。ネイティヴ・アメリカンおよびメキシカン系のアイデンティティを誇り高く掲げ、ファンク、R&B、ケイジャン、スワンプ・ロック、そして先住民族の伝統音楽(トライバル・チャントやポリリズム)を融合させた先駆的サウンドで一世を風靡した。1974年の世界的大ヒット曲「カム・アンド・ゲット・ユア・ラヴ(Come and Get Your Love)」で広く知られる。

結成の背景とジミ・ヘンドリクスの助言

バンドの中心となったのは、カリフォルニア州フレズノ出身の兄弟、パット・ヴェガス(ベース、ヴォーカル)とロリー・ヴェガス(ギター、ヴォーカル)である。彼らは1960年代に西海岸の売れっ子スタジオ・ミュージシャンやソングライターとして活躍していたが、自身もチェロキー族の血を引いていた親友ジミ・ヘンドリクスから「ネイティヴ・アメリカンとしての血とルーツを堂々と前面に打ち出したバンドを結成すべきだ」と強く後押しされた。

この助言を機に、ギタリストのトニー・ベラミー(ヤキ族)とドラマーのピート・デポー(シャイアン族)を迎え、全員が先住民族のルーツを持つRedboneを結成した。バンド名は、混血の人々を指すケイジャンの俗語に由来している。

独自の「キング・コング・ビート」と初期のヒット

Redboneのサウンドを決定づけたのは、ピート・デポーが編み出した大地を踏み鳴らすような力強いドラミング「キング・コング・ビート」である。土着的なポリリズムの上に、ロリー・ヴェガスのファンキーなギター・カッティングと濃厚なヴォーカル・ハーモニーが重なり、唯一無二のグルーヴを生み出した。

1970年にセカンド・アルバム『Potlatch』収録の「Maggie」で初のチャート入りを果たし、翌1971年にはニューオーリンズのヴードゥーの女王マリー・ラヴォーを題材にしたスワンプ・ロックの名曲「The Witch Queen of New Orleans」が全英2位・全米21位のスマッシュ・ヒットを記録した。

メッセージ性と「Come and Get Your Love」の金字塔

彼らは単なるヒット・メイカーにとどまらず、先住民族の過酷な歴史や権利闘争に深く寄り添った。1973年には1890年の先住民族虐殺の史実を告発した「We Were All Wounded at Wounded Knee」を発表。ヨーロッパ各国でチャート1位を獲得する熱狂を巻き起こしたが、アメリカ本国では歌詞の政治的過激さから大手ラジオ局で放送禁止処分を受けるという苦境も味わった。

しかし同年リリースの名盤『Wovoka』からシングル・カットされた「Come and Get Your Love」が、1974年に全米ビルボード・チャートで最高5位を記録。24週にわたってチャートに留まるロングセラーとなり、RIAA公認のゴールド・ディスクを獲得。ネイティヴ・アメリカン主体のグループとして史上初の全米トップ5入りという歴史的快挙を成し遂げた。

現代におけるリバイバルと功績

「Come and Get Your Love」は、2014年のマーベル映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のオープニング・シーンで主人公が踊る印象的な劇中歌として起用され、世界中で爆発的なリバイバル・ヒットを記録。ストリーミング時代を通じて新たな若い世代をも熱狂させている。

ルーツ・ミュージックへの敬意とポップ・ミュージックの普遍的な快楽を融合させ、先住民族カルチャーの誇りをロックの殿堂へと刻み込んだRedboneの功績は、アメリカ音楽史において燦然と輝き続けている。

Share

こちらもおすすめ

toast