Redbone - Wovoka (1973)
Redbone 1973

Redbone - Wovoka (1973)

Rock Folk, World, & Country Funk / Soul Pop Rock Funk Folk Rock Soul

Redbone『Wovoka』

レッドボーン(Redbone)の『Wovoka』は、1973年11月に発表された通算5作目のスタジオ・アルバムで、バンド自身のルーツと当時の社会状況を正面から結びつけた名盤として知られている。タイトルは、19世紀末に先住民族の平和と伝統の復興を祈る宗教運動「ゴースト・ダンス」を創始したパイユート族の預言者ウォヴォカ(Wovoka)に敬意を表して名付けられた。

制作背景・エピソード

レッドボーンは、ヤキ族やショショーニ族、メキシカンにルーツを持つパット・ヴェガス(ベース、ボーカル)とロリー・ヴェガス(ギター、ボーカル)の兄弟を中心にロサンゼルスで結成。下積み時代にスタジオ・ミュージシャンとして活動していた彼らに「先住民族の血を引くメンバーだけでバンドを組むべきだ」と助言したのはジミ・ヘンドリックスだったという逸話も残る。

本作はヴェガス兄弟によるセルフ・プロデュースに加え、エンジニアのアレックス・カザネグラスが共同プロデューサーを務め、デヴォンシャー・スタジオ、サウンド・ラボ、ゴールド・スター、ウォーリー・ハイダーなど名門スタジオで録音・ミックスされた。ゲストには名ピアニストのジョー・サンプルが参加し、ジーン・ペイジが流麗なストリングス・アレンジを提供。また、オリジナル・ドラマーのピーター・デポーが関わった最後のアルバムでもある。

とくにロリー・ヴェガスが書き下ろした「Come and Get Your Love」は、エレクトリック・シタールの印象的なリフとファンキーなベースライン、軽快なコール・アンド・レスポンスが冴え渡る名曲。翌1974年に全米ビルボードHot 100で最高5位を記録し、ネイティブ・アメリカンのバンドとして史上初の全米トップ5入りという快挙を成し遂げ、ゴールド・ディスクを獲得した。

時代の文脈

1970年代初頭のアメリカでは、アメリカ・インディアン運動(AIM)の台頭やウンデッド・ニー占拠事件(1973年)など、先住民族の権利回復をめぐる社会運動が激しさを増していた。レッドボーンはその中で、伝統的な衣装や羽飾りを身につけたステージングと、部族のチャントやポリリズムを取り入れた演奏で唯一無二の存在感を放っていた。

本作でもその精神性は明確に打ち出されている。呪術的なチャントと骨太なファンク・ロックが融合したタイトル曲「Wovoka」で幕を開け、先住民族コミュニティにおけるアルコール禍を告発した「Liquid Truth」、ストリングスが映えるメロウな「Sweet Lady of Love」、疾走感のある「23rd and Mad」など、多彩でシリアスな楽曲が並ぶ。ルーツへの誇りを堂々と掲げながら、洗練されたポップ・ロック/ファンクとしてメインストリームへ到達した記念碑的作品である。

後世への影響

「Come and Get Your Love」は、時代を超えて愛され続けている。2014年にはマーベル映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のオープニング(主人公ピーター・クイルのダンス・シーン)にフィーチャーされたことで世界的なリバイバル大ヒットを記録し、ストリーミング時代を通じて若い世代にも定着した。また日本でも、B.B.クィーンズ「おどるポンポコリン」のイントロ・フロウへの影響として知られるなど、ポップ・ミュージック史に長く影響を与えている。

アルバム『Wovoka』自体も米ビルボード200で最高66位を記録。USオリジナル盤(Epic)は、ジャケットのフロントとバックに美しいエンボス加工が施され、当時のCBS/Epicらしい重厚で温かみのあるアナログ盤の質感を今に伝えている。

トラックリスト

  1. A1 Wovoka 3:00
  2. A2 Sweet Lady Of Love 3:08
  3. A3 Someday (A Good Song) 4:12
  4. A4 Liquid Truth 5:03
  5. B1 Come And Get Your Love 4:27
  6. B2 Day To Day Life / Chant Wovoka 3:04
  7. B3 Clouds In My Sunshine 3:44
  8. B4 23rd And Mad 3:08

動画プレイリスト

公開: 2026年11月
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