Vinyl Record Reviews
Sandy Dennyは、1947年1月6日にロンドン近郊のウィンブルドンで生まれた英国のシンガー・ソングライター、ミュージシャンだ。1978年4月21日に31歳で亡くなっている。ジャンルはロック、スタイルはフォーク・ロックに分類されることが多い。
英国のフォーク・ロックを語るうえで、彼女の名前はよく挙がる。澄んだ歌声と、自作曲の強さで知られている。
1965年9月にキングストン・カレッジ・オブ・アートへ進み、学内のフォーク・クラブで歌い始めた。その後はロンドンのフォーク・クラブやThe Troubadourなどで活動する。音楽に専念する前には、ロイヤル・ブロンプトン病院で看護師の訓練も受けていた。
1967年にはThe Strawbsに参加し、同じ年に初期録音も残している。この時期に書かれた「Who Knows Where The Time Goes?」は、1968年11月にJudy Collinsが取り上げたことで広く知られるようになった。
1968年5月、Judy Dybleの後任としてFairport Conventionに加入した。Simon Nicolは、オーディションでの彼女の存在感を印象的なものとして回想している。在籍中には『What We Did On Our Holidays』『Unhalfbricking』『Liege & Lief』(1969年)に参加した。
特に『Liege & Lief』は、後年の評価でも重要な位置を占めている。2006年のBBC Radio 2 Folk Awardsでは「史上最も影響力のあるフォーク・アルバム」に選ばれている。
1969年12月にFairport Conventionを離れた後は、後に夫となるTrevor LucasらとFotheringayを結成した。ここでは2枚のアルバムを録音しているが、バンドは1971年に解散した。
その後はソロ活動に移り、1971年に『The North Star Grassman And The Ravens』、1972年に『Sandy』、1973年に『Like An Old Fashioned Waltz』、1977年に『Rendezvous』を発表した。生前に出したスタジオ・アルバムはこの4作になる。
1971年にはLed Zeppelinの4作目に収録された「The Battle Of Evermore」でRobert Plantとデュエットした。Led Zeppelinのアルバムに参加したゲスト・ヴォーカリストは彼女だけだとされている。
1974年から1975年にかけては、Trevor LucasとともにFairport Conventionへ復帰し、『Rising for the Moon』に参加した。その後、長いツアーを経て夫婦でバンドを離れた。
Sandy Dennyの名前がよく挙がるのは、歌声だけが理由ではない。自作曲が早い時期から評価されていて、「Who Knows Where The Time Goes?」はその代表例になっている。歌詞とメロディの両方を持つ曲として、フォークの文脈で長く歌われてきた。
Fairport Conventionでの録音やソロ作品を追うと、フォークの曲を土台にしながらロックの編成へつなげていく流れが見える。英国フォーク・ロックの成立期に、その流れの中心にいた人物のひとりとして扱われている。
1978年4月21日、階段からの転落による脳の損傷がもとで亡くなった。31歳だった。
その後も評価は続いている。2007年のBBC Radio 2 Folk Awardsでは「Who Knows Where The Time Goes?」が「史上最も愛されたフォーク・ソング」に選ばれ、2016年には同賞の殿堂入りを果たした。