Terry Callier

Vinyl Record Reviews

Terry Callier

Terry Callierとは

Terry Callier(テリー・キャリアー、1945年5月24日〜2012年10月27日)は、米シカゴ出身の伝説的シンガー・ソングライター/ギタリストである。ソウル、フォーク、ジャズの境界線を軽やかに飛び越え、深遠なバリトン・ボイスとアコースティック・ギターで魂を揺さぶる叙情詩を紡ぎ出した。1970年代の不遇の時代を経て、1990年代のアシッド・ジャズ・ムーブメントで劇的な再発見と復活を果たした孤高の巨星である。

生い立ちと音楽的ルーツ

シカゴの悪名高い公営住宅キャブリーニ・グリーンで生まれ育ったキャリアーは、幼少期からカーティス・メイフィールド、ジェリー・バトラー、メジャー・ランスらと同じドゥーワップ・グループで歌声を磨いた。やがてフォーク・ギターを手にし、ジョン・コルトレーンに代表されるスピリチュアル・ジャズの洗礼を受けることで、独自のフォーク・ソウル・スタイルを開花させた。

Cadet三部作とチャールズ・ステップニー

1968年にプレスティッジから初作を発表後、盟友ラリー・ウェイドとともにザ・デルズへ提供した「The Love We Had (Stays on My Mind)」の大ヒットを契機に、チェス傘下のCadet Recordsと契約。ここで希代の天才プロデューサー/アレンジャーであるチャールズ・ステップニー(Charles Stepney)との奇跡的な出会いを果たした。

二人の共同作業から生まれた3部作は、現在もアメリカン・ポピュラー音楽史の至宝として讃えられている。

  • 『Occasional Rain』(1972年)
  • 『What Color Is Love』(1972年)
  • 『I Just Can't Help Myself』(1973年)
  • 『What Color Is Love』

特に『What Color Is Love』は彼の最高傑作と名高く、ステップニーによる壮大で映画音楽のようにドラマチックなオーケストレーションと、キャリアーのスピリチュアルな歌唱、モーダルなギター・プレイが完璧な調和を遂げた。「Dancing Girl」や「You Goin' Miss Your Candyman」など、ジャンルの概念を超越した名曲が並ぶ。しかし当時は正当な商業的評価を得られず、エレクトラからの諸作を経て、愛娘を育てるために1983年に音楽界を引退。シカゴ大学でコンピューター・プログラマーとして静かな生活を送っていた。

アシッド・ジャズによる劇的復活と晩年

1990年代初頭、ロンドンのクラブ・シーンにおいて、ジャイルス・ピーターソンやエディ・ピラーらを中心とするアシッド・ジャズ/レア・グルーヴのDJたちが彼のCadet時代の旧譜を発掘し、熱狂的な支持を集めた。1991年に本人も知らぬまま英国へと招聘され、熱狂する若い聴衆の前で奇跡のステージ復帰を果たした。

この復活劇を機に本格的に音楽活動を再開。フォークトロニカの旗手ベス・オートンとの深い友情と共演をはじめ、マッシヴ・アタック、ポール・ウェラー、4ヒーローといったUKのトップ・アーティストたちと世代を超えたコラボレーションを展開した。1998年の復活作『TimePeace』は国連のTime for Peace賞を受賞。2012年に67歳で世を去るまで、深い慈愛と祈りに満ちた歌声を世界中に届け続けた。

ジャンル・スタイル

Funk / Soul Soul
Share

こちらもおすすめ

toast