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The Impressions(ジ・インプレッションズ)は、1958年にアメリカ・イリノイ州シカゴで結成された伝説的ソウル/R&Bボーカル・グループ。洗練された都会派ソウル「シカゴ・ソウル」の頂点を極めるとともに、1960年代の公民権運動においてアフリカ系アメリカ人の自由と尊厳を鼓舞するアンセムを数多く世に送り出した、アメリカ黒人音楽史上屈指の重要グループである。
グループの原点は、若きジェリー・バトラー(Jerry Butler)をリード・シンガーに据えた「Jerry Butler & The Impressions」としての活動にある。1958年に発表したバラード「For Your Precious Love」が全米チャートを駆け上がる大ヒットを記録し、ドゥーワップからソウル・ミュージックへの移行期を象徴する名曲として絶賛を浴びた。その後、バトラーがソロ歌手へ転向したことで、グループは大きな転機を迎える。
バトラー脱退後、弱冠10代にして非凡なソングライティングの才を発揮していたギタリスト、カーティス・メイフィールド(Curtis Mayfield)がリード・ボーカルと音楽的リーダーに就任。オリジナル・メンバーのサム・グーデン(Sam Gooden)、フレッド・キャッシュ(Fred Cash)とともに、インプレッションズの黄金期を築く不滅のトリオ体制を確立した。
カーティスが爪弾くオープン・チューニングによる流麗なギター・リフ、繊細で情感豊かなファルセット・ボイス、そしてゴスペルの祈りを宿した三部ハーモニーは、名アレンジャーのジョニー・ペイトが手掛ける壮麗なオーケストレーションと融合し、「シカゴ・ソウル」の美学を完成させた。
1960年代、インプレッションズの音楽は公民権運動(Civil Rights Movement)のうねりと共鳴し、時代を動かす強力なメッセージ・ソングへと昇華していった。
「It's All Right」(1963年)、「Keep On Pushing」(1964年)、「Amen」(1964年)、「People Get Ready」(1965年)、「We're a Winner」(1967年)、「Choice of Colors」(1969年)など、不屈の希望とブラック・プライドを歌った名曲を連発。特に「People Get Ready」や「Keep On Pushing」は、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師らが率いたデモ行進や集会で聖歌のように歌い継がれ、アメリカ社会の変革を支える精神的支柱となった。
1970年、カーティスはソロ活動および自身のレーベル「Curtom」の運営に専念するためグループを友好的に脱退。後任リード・シンガーとしてハワード大学出身の実力派リロイ・ハトソン(Leroy Hutson)が加入し、『Times Have Changed』(1972年)などのニュー・ソウル/シカゴ・ソウルの傑作を残した。
1991年にロックの殿堂(Rock and Roll Hall of Fame)、2003年にボーカル・グループの殿堂入りを果たした。彼らの楽曲はボブ・ディラン、ボブ・マーリー(The Wailers)、ロッド・スチュワートをはじめ世界中のアーティストにカバーされ続けており、コンシャス・ソウルやニュー・ソウルの礎として不朽の輝きを放ち続けている。