Anri = 杏里 - Coool (1984)
杏里『COOOL』
杏里の7作目のオリジナル・アルバム『COOOL』は、1984年6月21日にフォーライフ・レコードから発売された。前年の『Bi・Ki・Ni』で角松敏生がA面5曲をプロデュースして以降、杏里の路線は大きく変わった。角松が全面的にプロデュースした1983年の『Timely!!』はオリコン1位となり、杏里はその年のNHK紅白歌合戦にも出場している。本作は、その『Timely!!』に続く、角松のプロデュースによる「角松三部作」の締めくくりとされる。
制作背景と参加ミュージシャン
録音はロサンゼルスで行われ、現地のセッション・ミュージシャンが多数参加している。西海岸の音になっている。編曲はすべて角松敏生が担当した。ドラムにはLeon “Ndugu” ChanclerとEd Green、ベースにはNathan East、ギターにはPaul Jackson Jr.とCarlos Rios、ピアノとシンセサイザーにはDon Grusin、サックスにはErnie Watts、パーカッションにはPaulinho Da Costaが参加。ホーン・アレンジはJerry Heyで、本人もトランペットを吹いている。ストリングス・アレンジはBarry Fasman。コーラスにはJim Gilstrap、Phyllis St. James、Miki Howardらが加わり、角松自身も冒頭の「BRING ME TO THE DANCENIGHT」でギターを弾いている。初回盤のマスタリングはBernie Grundman。
収録曲では、角松が「BRING ME TO THE DANCENIGHT」「I CAN'T EVER CHANGE YOUR LOVE FOR ME」「SILLY CITY GIRL」「SURPRISE OF SUMMER」「FLASHIN' NIGHT」の5曲を書き、杏里自身も「GONE WITH THE SADNESS」「HE'S MY MUSIC」「MAUI」の3曲を作詞・作曲している。冒頭の2曲は切れ目なくつながる構成。「気ままにREFLECTION」は日清焼そばU.F.O.のCMに使われたシングルで、本作には別の編曲で収録されている。「I CAN'T EVER CHANGE YOUR LOVE FOR ME」は、のちに角松自身が『The Gentle Sex』でカバーした。
時代の文脈
杏里はこの時期を「杏里というアーティストをどう作り上げていこうか、レコード会社やプロデューサーが模索していた時代」と振り返っている。1983年8月の「CAT'S EYE」は、当初はアニメとのタイアップをためらったものの、この曲で自分が変われると感じたといい、初のオリコン1位になった。1984年の「気ままにREFLECTION」はオリコン7位、アルバム『COOOL』はオリコン5位を記録した。
本作の後、杏里は所属事務所を離れて自身の会社を立ち上げ、初の全国ツアーを行った。1985年の『WAVE』では角松敏生と小林武史が関わり、シンセサイザーを多用した音になったとされる。1987年の『SUMMER FAREWELLS』からは自らプロデュースするようになり、やがて全曲を自作していく流れへつながっていく。
後年の再評価
2010年代半ばのシティ・ポップ・ブームで、杏里は海外で再評価され、「シティ・ポップの女王」と呼ばれることも多くなった。彼女の楽曲はヴェイパーウェイヴやフューチャー・ファンクのアーティストにサンプリングされ、海外での新しい人気にもつながっている。2023年には『COOOL』がターコイズの透明盤アナログで再発され、『COOOL』と『Timely!!』をまとめたボックス・セットも発売された。
トラックリスト
- A1 Bring Me To The Dancenight
- A2 Gone With The Sadness
- A3 Kimamani Reflection (New Version)
- A4 I Can't Ever Change Your Love For Me
- A5 Silly City Girl
- A6 Morning Highway
- B1 Surprise Of Summer
- B2 Flashin' Night
- B3 Mercury Lamp = 水銀燈
- B4 He's My Music
- B5 Maui
動画プレイリスト
このアーティストについて
Anri(杏里)は、1961年に神奈川県大和市で生まれた日本のシンガーソングライターだ。ジャンルはElectronic、Pop、Funk / Soulにまたがり、スタイルと...
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