Eddie Floyd - Knock On Wood (1967)
Eddie Floyd 1967

Eddie Floyd - Knock On Wood (1967)

Funk / Soul Rhythm & Blues

Eddie Floyd『Knock On Wood』

エディ・フロイドがスタックスから発表した初のソロ・アルバム『Knock On Wood』は、1967年1月にリリースされたサザン・ソウルの金字塔。表題曲「Knock On Wood」の大ヒットを機に制作され、南部メンフィス・ソウル最盛期のエネルギーを封じ込めたアルバムとして知られる。クレジットには「Distributed by Atlantic Recording Corp.」とあり、当時の大西洋岸配給体制のもとで世に出た1枚である。

制作背景・エピソード

フロイドはデトロイトのボーカル・グループ、ザ・ファルコンズ解散後にスタックスへ合流し、当初はソングライター/プロデューサーとして活動していた。「Knock On Wood」は、スタックスのハウス・ギタリストであるスティーヴ・クロッパーとの共作。当時二人はメンフィスのロレイン・モーテルに缶詰めでセッションを行っており、本来はレーベルの看板スターであるオーティス・レディングへの提供を想定して書かれていた。

迷信を題材にアイデアを練る中でフロイドがテーブルを叩いて「Knock on wood」の着想を得たこと、また深夜に激しい雷雨が街を襲ったことから「It's like thunder, lightning, the way you love me is frightening」という不朽のフレーズが生まれたという。デモを聴いたスタックス共同創業者ジム・スチュワートの強い推薦により、フロイド自身の歌唱でシングル化されることになった。

録音を支えたのは、スティーヴ・クロッパー、ドナルド・“ダック”・ダン、アル・ジャクソン・ジュニア、ブッカー・T・ジョーンズからなるブッカー・T&ジ・MG's。さらにアイザック・ヘイズの鍵盤と、ウェイン・ジャクソンやアンドリュー・ラヴを擁するメンフィス・ホーンズが加わり、鉄壁の布陣で臨んでいる。

時代の文脈・サウンド

1960年代中盤から後半にかけて、メンフィスのスタックスは、モータウンの洗練されたポップ・ソウルとは対照的に、ゴスペル直系の泥臭い熱量と骨太なグルーヴを打ち出した「サザン・ソウル」の震源地として黄金期を迎えていた。本作はその象徴的な1枚である。

サウンド面では、スティーヴ・クロッパーの切れ味鋭いカッティング・ギター、アル・ジャクソン・ジュニアのタイトなバックビート、太くうねるダック・ダンのベース、そして咆哮するメンフィス・ホーンズが、フロイドの熱くしゃがれたシャウトと完璧に噛み合っている。一聴して耳を奪う「Knock On Wood」のホーン・リフに加え、コール&レスポンスが炸裂するアップテンポな「Raise Your Hand」、ウィルソン・ピケットへの提供大ヒット曲を自ら歌った「634-5789」、ディープなバラード「I've Just Been Feeling Bad」まで、スタックスの美学が凝縮されている。

後世への影響

表題曲「Knock On Wood」はソウル・スタンダードとして無数のアーティストに歌い継がれた。1967年にオーティス・レディング&カーラ・トーマスがデュエットでカバーしたのを皮切りに、1974年にはデヴィッド・ボウイが『David Live』からシングルカットして全英トップ10入りを記録。さらに1979年にはエイミー・スチュワートがドラマティックなディスコ・スタイルでカバーし、全米Billboard Hot 100で1位を獲得する世界的モンスター・ヒットとなった。エリック・クラプトンも1985年の『Behind the Sun』でカバーしている。

また「Raise Your Hand」は、ジャニス・ジョプリンが1969年のウッドストック・フェスティバルをはじめとするステージで絶唱したほか、ブルース・スプリングスティーン&Eストリート・バンドがライブの定番レパートリーとして長年演奏し続けたことでも知られる。

評価・チャート

シングル「Knock On Wood」は1966年末にビルボードのHot R&B Singlesチャートで1位を獲得し、Hot 100でも28位まで上昇。アルバム『Knock On Wood』もサザン・ソウルを代表する不朽の名盤として、現在に至るまで世界中のソウル・ファンから熱狂的な支持を集めている。

トラックリスト

  1. A1 Knock On Wood 2:55
  2. A2 Something You Got 2:54
  3. A3 But It's Alright 2:48
  4. A4 I Stand Accused 3:17
  5. A5 If You Gotta Make A Fool Of Somebody 2:45
  6. A6 I Don't Want To Cry 2:45
  7. B1 Raise Your Hand 2:20
  8. B2 Got To Make A Comeback 2:35
  9. B3 634-5789 3:04
  10. B4 I've Just Been Feeling Bad 2:35
  11. B5 High-Heel Sneakers 2:35
  12. B6 Warm And Tender Love 3:30

動画プレイリスト

公開: 2026年11月
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