Ray Charles - The Great Ray Charles (1957)
Ray Charles 1957

Ray Charles - The Great Ray Charles (1957)

Funk / Soul Soul Rhythm & Blues

Ray Charles『The Great Ray Charles』

1957年8月にアトランティック・レコードからリリースされた、レイ・チャールズのスタジオ・アルバム。ここでは代名詞であるヴォーカルを完全に封印し、ジャズ・ピアニストおよびバンドリーダーとしての卓越した手腕に焦点が当てられている。録音はニューヨークで行われ、1956年4月30日、11月20日、11月26日の3セッションに分けて収録された。

制作背景・エピソード

プロデュースは、アトランティックのジャズ部門を統括していたネスヒ・エルテガンとジェリー・ウェクスラーが担当。エンジニアは名匠トム・ダウドが務めた。アレンジャーには、若き日からの盟友クインシー・ジョーンズとカウント・ベイシー楽団でも腕を振るったアーニー・ウィルキンスが起用されている。バックを支えるのは、レイのレギュラー・ツアー・バンドの腕利きたちである。

収録曲には、クインシー・ジョーンズが手がけた端正な「The Ray」、ホレス・シルヴァー作のファンキーな名曲「Doodlin'」、そしてレイ自身の作曲によるスロー・ブルース「Sweet Sixteen Bars」などが並ぶ。4月30日のセッションではベースとドラムを従えたトリオ編成で「Sweet Sixteen Bars」が録音され、11月の2セッションではホーン隊を加えたセプテット編成で重厚なアンサンブルが吹き込まれた。

時代の文脈

1950年代半ばのレイ・チャールズは、「I Got a Woman」などの大ヒットでR&B界のスターダムを駆け上がっていた。その一方で、ネスヒ・エルテガンはレイの根底にあるジャズ・ミュージシャンとしての並外れた即興力とタッチの美しさを高く評価し、純粋なインストゥルメンタル・ジャズ作品の制作を構想した。

当時のハードバップの躍動感と、レイならではのディープなゴスペル/ブルース・フィーリングが見事に融合している。レイの盟友であるテナー・サックス奏者デヴィッド・“ファットヘッド”・ニューマンの力強いソロをはじめ、コンパクトな編成を活かしたタイトでグルーヴィーなモダン・ジャズが展開されている。

後世への影響

のちにミルト・ジャクソンとの共演作『Soul Brothers』(1958年)や名盤『Genius + Soul = Jazz』(1961年)へと結実していく、レイ・チャールズの本格的なジャズ路線の確固たる原点となった。とくに「Sweet Sixteen Bars」は、ソウル・ジャズやファンキー・ブルース・ピアノの規範的名演として長く愛聴されている。

本作は、レイ・チャールズが一過性のR&Bシンガーにとどまらず、第一級のジャズ・ピアニスト/音楽家であることを広く決定づけた。リリース直後から批評家筋でも高い支持を集め、50年代アトランティック・レコードが残したジャズ作品のなかでも際立つ存在感を放ち続けている。

盤について

本作はアトランティックの黒地モノラル・ラベル仕様(Atlantic 1259)。1957年当時のオリジナル・モノラル盤であり、分厚い音圧と生々しいダイナミクスで、レイのピアノ・タッチとバンドの熱気がリアルに再現されている。

トラックリスト

  1. A1 The Ray 3:56
  2. A2 My Melancholy Baby 4:19
  3. A3 Black Coffee 5:28
  4. A4 There's No You 4:44
  5. B1 Doodlin' 5:49
  6. B2 Sweet Sixteen Bars 4:04
  7. B3 I Surrender Dear 5:04
  8. B4 Undecided 3:36

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

Ray Charles

Ray Charles

Ray Charlesは、1930年9月23日にアメリカ・ジョージア州アルバニーで生まれたシンガー、ソングライター、ミュージシャン、作曲家だ。2004年6月10日、...

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