The Future Sound Of London - Accelerator (1992)
The Future Sound Of London 1992

The Future Sound Of London - Accelerator (1992)

Electronic Techno

The Future Sound Of London『Accelerator』

The Future Sound Of Londonのデビュー・アルバム『Accelerator』は、1992年にUKのJumpin' & Pumpin'から出た作品。Garry CobainとBrian Dougansの2人が、1980年代半ばにマンチェスターで出会った。Cobainは「サンプリングこそ、自分たちがのめり込みたい音の革命だった」と振り返り、1987年には2人でベース・ギターやアンプ、ドラムマシンを売って最初のサンプラーを手に入れたという。

制作背景と録音の経緯

録音は1991年、ロンドン北西部ドリス・ヒルのEarthbeat Studiosで行われた。プロデュースは2人自身、エンジニアとして「YAGE」がクレジットされているが、これは2人の半ば架空の別名義だった。1992年のオリジナル盤のクレジットには、Mental Cube(「Expander」のプロデュース)、Luco(「Stolen Documents」のプロデュース)、Yage(「Calcium」の作曲)といった変名も並んでいたが、2001年の再発で外された。

ジャケットは、この作品で初めて組んだBuggy G. Ripheadによるもの。

中でも「Papua New Guinea」は重要な曲として扱われる。Lisa Gerrardの歌声をDead Can Danceの「Dawn of the Iconoclast」から、ベースラインをMeat Beat Manifestoの「Radio Babylon」からサンプリングして制作された。Cobainは、Dead Can Danceのアルバムを持っておらず、ミックステープのカセットから録ったと話している。トップラインのシンセはCobainがRoland JX-3Pで手弾きし、ストリングスはAtari 1040から鳴らしたという。Cobainはこの曲について、「自分が書いた最高の曲ではないけれど、ある心の状態にぴたりとはまった」と語っている。

時代の文脈

「Papua New Guinea」は1991年11月にJumpin' & Pumpin'から先行シングルとして出て、当初は全英ダンス・チャート42位だったが、1992年の再発で全英シングル・チャート22位まで上昇し、7週チャートに留まった。アルバム本体は、そのヒットを受けて1992年4月5日に発売されている。レーベル側は発売を約9か月遅らせており、シングルの反応を見てから本作を世に出した形になる。この成功を受けて、Virgin Recordsが自由に実験できる条件で2人と契約した。

この時期のFSOLは、のちのVirgin移籍と比べると、まだダンス・フロアに近い地点にいる。AllMusicのNed Raggettは、本作を2人がもっとも商業的な意識を前面に出した作品で、入門者に取っつきやすいと評している。Cobain自身も1994年のSound On Soundで、「ダンス・ミュージックはもう生産的ではなくなった」と語っており、本作の後、2人は『Lifeforms』(1994年)以降のアンビエント路線へ進んでいく。

前史としては、Dougansがグラフィック・スタジオStakkerのプロジェクト「Stakker Humanoid」(1988年)で、アシッド・ハウスを広く知らしめるヒットを出していた。FSOL以前に変名で出したシングルやEPは、1992年の編集盤『Earthbeat』にまとめられている。

後世への影響

Simon Reynoldsは『Energy Flash』で「豪奢で、ゴージャスに感情的なレイヴ・アンセム」と呼び、Pitchforkの「1990年代のシングル トップ200」にも入っている。Billboardの2025年の「史上最高のダンス・ソング100」では95位。DJのSashaは、10年ほどスタジオにこもって再現しようとしたと2019年のResident Advisorで語っている。

2001年には、Blue States、Simian、Hybrid、Satoshi Tomiie、Andrew Weatherallらのリミックスを収めた形で再発され、シングルも全英28位に再登場した。アルバム全体については、1996年のOption誌が「穏やかで、刺激的で、おかしくさえある、風変わりな未来主義者の夢の国」と評し、Clash誌は「テクノを意識の新たな領域へ押し出した」と書いている。Ghost DeepのT.Q. Kelleyは、「Pulse State」のTB-303のベースラインや「Central Industrial」でのThrobbing Gristleの引用に触れながら、アルバム内の内省的な側面を指摘していた。

全英アルバム・チャートでは75位、Melody Makerの1992年年間ベスト・アルバムでは21位。「Papua New Guinea」は全英22位、英ダンス・チャート1位を記録し、英国でシルヴァー認定を受けている。

トラックリスト

  1. 1 Expander 5:40
  2. 2 Stolen Documents 5:13
  3. 3 While Others Cry 4:14
  4. 4 Calcium 6:43
  5. 5 It's Not My Problem 3:54
  6. 6 Papua New Guinea 6:46
  7. 7 Moscow 3:33
  8. 8 1 In 8 4:24
  9. 9 Pulse State 7:27
  10. 10 Central Industrial 4:25

動画プレイリスト

公開: 2026年10月

このアーティストについて

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The Future Sound Of London(FSOL)は、1980年代半ばにマンチェスターで出会ったGarry Cobain(ギャリー・コベイン)とBrian Dougans(ブライアン・...

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