KMFDM - Symbols (1997)
KMFDM『Symbols』について
KMFDMの『Symbols』は、オリジナルは1997年に登場した作品で、2017年盤としてUSのMetropolisから出ているレコードです。KMFDMは1980年代半ばから活動を続ける、テクノ/ダンス寄りの電子音とヘヴィなギターを結びつけてきたバンドで、この作品もその流れの中にある1枚です。電子音主体の推進力とロックの硬さが前に出る、いわゆるインダストリアル・ロックの文脈で語られることの多いタイトルです。
作品の位置づけ
1997年という時期のKMFDMは、すでに独自の型をかなり固めていた時期と見てよさそうです。打ち込みの反復、太いギター、機械的なリズム、短く切れ込むボーカルといった要素が、バンドの中核として機能している時代です。初期の実験性を引きずりつつも、より直線的なロックの手触りが強まった後期80年代〜90年代の延長線上にある作品として捉えやすいです。
KMFDMは、同時代のインダストリアル勢の中でも、Nine Inch Nailsのような内省寄りの作風とは少し距離があり、より攻撃的で、反復の強さやリフの押し出しが前面に出るタイプとして知られています。『Symbols』も、そのバンド像をそのまま縮めたような性格のタイトルと言えます。
聴きどころ
実際に聴くと、まず耳に残るのはリズムの硬さと、音の配置の明快さです。細かく音を重ねるというより、ビート、ギター、サンプル、声の役割がはっきり分かれていて、各パートが前へ出る作りになっています。KMFDMらしい乾いた質感と、繰り返しで押してくる構成が中心で、アルバム全体としても「一気に畳みかける」感触が強いです。
メロディを大きく歌い上げる方向よりも、フックの短さやリフの反復で引っ張る場面が多く、クラブ的な反応とロック的な圧を両立させる作り。耳に残るのは派手な展開というより、同じモチーフを何度もぶつけてくる強度のほうです。
代表曲として知られる曲
『Symbols』は、KMFDMの作品群の中では、収録曲単位で広く知られる代表曲が複数あるタイプのアルバムとして語られることがあります。バンドのライブや編集盤で触れられる機会のある楽曲もあり、90年代KMFDMの定番的な手触りをまとめて確認できる1枚です。曲名よりも、アルバム全体の流れで印象が残る作りとも言えます。
2017年盤について
今回の盤は2017年リリースのUS盤で、レーベルはMetropolis、カタログ番号はMET487Vです。オリジナルの1997年盤から20年後の再発にあたり、現行の流通で手に取りやすい形に整えられたものと見てよさそうです。Metropolisはインダストリアル、エレクトロニック、ダークウェイヴ周辺に強いレーベルとして知られていて、この作品の再発先としては自然な組み合わせです。
再発盤としては、作品そのものの核はオリジナル盤にある一方で、2017年に入手しやすい形で出し直されている点に意味があります。KMFDMの90年代作品をレコードで追ううえでは、こうした再発盤が重要な入口になっている印象です。
まとめ
『Symbols』は、KMFDMが築いてきた電子音とギターの接合を、90年代後半の時点でしっかり形にしたアルバムです。インダストリアル・ロックの文脈の中で、機械的な反復とロックの押し出しを両立させた作品として、バンドの輪郭をつかみやすい1枚。1997年オリジナル、2017年US再発盤という情報も含めて、KMFDMのカタログをたどるうえで押さえやすいタイトルです。
トラックリスト
- A1 Megalomaniac
- A2 Leid Und Elend
- B1 Down And Out
- B2 Unfit
- C1 Anarchy
- C2 Stray Bullet
- C3 Mercy
- D1 Torture
- D2 Spit Sperm
- D3 Waste