Tides From Nebula - Safehaven (2016)
Tides From Nebula『Safehaven』
ポーランドのポストロック・バンド、Tides From Nebulaが2016年に発表した4作目のアルバム。2013年の『Eternal Movement』から3年ぶりの作品で、バンドの公式バイオでは、繊細さと暴力性の両方を備えたアルバムとして紹介されている。リリースはEurope盤で、Long Branch RecordsからLP+CD仕様、180gのブラック・ヴィニルにCDが付属する形で出ている。
制作背景・エピソード
制作面では、Maciej Karbowskiが語る「自分たちの“避難所”」という発想が『Safehaven』の核にある。録音場所としてNebula Studioを作る構想は約6年前から温めていたもので、スタジオは彼とドラマーのTomが自力で建てた。音響設計の多くはTomが担当している。バンドは、この環境で「最も良い曲を書ける場所」を目指し、より快適で創造的な空間を実現したかったと説明している。
また、Karbowskiは今回の制作について、DIYの色合いを保ちながらも欧米の流通や支援を得たことに触れている。演奏面では、不規則拍子などへの対応が以前より楽になったとも述べている。こうした発言からは、制作環境と演奏面の両方で整った条件のもとに作られた作品であることが見えてくる。
盤面には「In memory of Piotr Grudziński we dedicate our track "Home"」というクレジットもあり、「Home」がPiotr Grudzińskiに捧げられている。
時代の文脈
『Safehaven』は、2011年作『Earthshine』、2013年作『Eternal Movement』に続くキャリア中盤の重要な一枚として位置づけられている。制作時期には中国ツアーや欧州ツアーも行っており、活動の場を広げていた時期の作品でもある。
当時のレビューでは、以前より電子的な要素やキーボードの比重が増した作風として扱われていた。DPRPのMartin Burnsは、電子音とキーボードが前に出たことで繊細さが増し、スマートな編曲と感情的なメロディが際立つと評している。Echoes and Dustは、Tides From Nebulaの美学を急激な静と動ではなく、ゆっくり立ち上がる音像にあると述べ、『Knees to the Earth』や『The Lifter』のような曲に触れている。IDIOTEQの記事でも、バンド自身が本作を「ロック寄りだが依然としてアンビエントでシネマティック」と位置づけていた。
評価メモ
数値面では、DPRPで8.5/10の評価が確認できる。ほかに、チャート順位や販売数の具体的な数字は確認されていない。Long Branch RecordsのSPV 269861 LP+CDとして出たEU盤は、ジャケット裏と背表紙で品番表記が異なる形で流通している。
『Safehaven』は、Nebula Studioの完成とともに作られた作品であり、バンドの制作環境そのものが前面に出たアルバムとして記録されている。LP+CD仕様、180gブラック・ヴィニルという物理フォーマットも含めて、2016年のTides From Nebulaを示す一枚。
トラックリスト
- A1 Safehaven
- A2 Knees To The Earth
- A3 All The Steps I've Made
- A4 The Lifter
- B1 Traversing
- B2 Colour Of Glow
- B3 We Are The Mirror
- B4 Home 6:21
- CD-1 Safehaven 5:32
- CD-2 Knees To The Earth 5:17
- CD-3 All The Steps I've Made 4:48
- CD-4 The Lifter 6:04
- CD-5 Traversing 6:28
- CD-6 Colour Of Glow 3:31
- CD-7 We Are The Mirror 5:48
- CD-8 Home 6:21